スバルにテストドライバーはいない? 新型インプレッサも社員も鍛えられスバルのクルマ作りを底上げするSDA(スバル・ドライビング・アカデミー)とは?

自動車メーカーのテストドライバーというと、いかにも腕利きで、速く走ることが得意というイメージもありますが、それは本質ではありません。

今回、SDAにてスキルアップを果たしているメンバーの幾人かにインタビューしたところ、一番大事なことは「冷静さ」という言葉が出てきました。

SUBARU_SDA0609L

たとえば、最高速は速ければいいのではなく、性能を見極めるためには、指定された速度で一定に走り続けることが重要だといいます。単にメーター読みの速度を合わせるのではなく、車線の中央をブレることなく維持することも求められるといいます。

また、コーナリングなどの限界走行においても、エイヤッと気合で曲がっていたのでは再現性もなければ、クルマの問題点を見つけ出すこともできません。

恐怖心を克服し、冷静に操作と挙動を見つめることが大事なのです。もちろん、それはテストドライブの基本ですが、そのレベルをSDAによって高めているわけです。

そのために、世界を相手に戦ってきたプロドライバーも講師として招へい、テクニックだけでなく、メンタルも鍛えているということです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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