ダウンサイジングターボがトレンドとなっている中で、あえてターボとは距離を置いているように見えたマツダですが、実用ターボというコンセプトを掲げ、満を持しての登場といえます。
その「SKYACTIV-G 2.5T」のメカニズムにおける特徴は「高圧縮比」、「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」、「クールドEGR」、そして「高効率燃焼の踏襲」という4点。
中でも注目は、「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」でしょう。
これはタービン手前に配したバルブを使って、運転条件に合わせた排気脈動に変化させる世界初のテクノロジー。1620rpm以下の低回転域では、バルブを絞ることで、排気干渉を抑え、排気圧力の脈動を活用して高いタービン駆動力を実現しています。つまり、低速域でのターボラグを解消することができるというわけです。そうして、十分な排気エネルギーを得られるようになるとバルブを開くことで、通常のターボと同様に稼働。レスポンス重視のターボチャージャーは上の領域でのツマリ感も出ますが、二面性を持つターボチャージャーというわけです。
ひとまずCX-9への搭載が明らかになっているだけで、他車種への展開はアナウンスされていませんが、日本への導入も期待したい最強のSKYACTIV-Gが登場です。
(山本晋也)