新型プリウスが欧州デビュー! 歴代モデルの変遷を追う 【フランクフルトショー2015】

ここで、初代から4代目に至るプリウスの変遷を簡単に振り返ってみましょう。

初代プリウスが発売されたのは今から18年前になります。

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1997年に世界初のハイブリッドカーとして、「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーで登場した同車はトヨタの米デザイン部門「CALTY」が意匠を担当するなど、デビュー当時から米国市場を強く意識したモデルでした。

最新技術を満載しながらも、奇をてらわない通常のガソリンエンジン車然とした、エクステリアデザインを採用。高い全高と5ナンバーサイズ枠いっぱいの全幅により、広々した室内空間を持った、扱い易い4ドアセダンでした。

続く2代目が登場したのは6年後の2003年。

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このモデルから更なる低燃費を追求すべく、エアロダイナミックフォルムを纏った5ドアハッチバックスタイル(CD値0.26)に姿を変え、その後の基本形となりました。

「トライアングル・シルエット」と呼ばれる三角形の「おむすび形」のスタイリングが特徴的で、2003年度のグッドデザイン大賞を受賞しています。

一回り大きく3ナンバーサイズになったボディには約140kgの軽量化が織り込まれ、ハイブリッドシステムは「THS‐Ⅱ」に進化、モーター出力や1.5Lエンジンの出力を高めてシステム出力の向上が図られました。

同モデルよりモーターのみでの走行が選択可能な「EVモード」が設定され、アイドリングストップ中も動作する電動インバーターエアコンを装備、オプションでステアリングの操舵を支援して車庫入れ、縦列駐車をアシストする世界初のインテリジェントパーキングアシストシステムが設定されました。 

そして2代目の発売から6年後の2009年に現行の3代目が登場。

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空力性能をさらにCD値0.25にまで改善、ハイブリッドシステムには全体の9割以上を新開発した「リダクション機能付THS-II」を採用。

新開発1.8Lエンジン搭載で高速域の燃費を向上すると共に、モーターの出力アップにより、2..4L車並の動力性能を実現しています。

大容量水冷EGRクーラーを搭載、「排気熱再循環システム」により、排気熱をヒーターやエンジンの暖気に利用することで冬季の燃費を向上させています。

ヘッドランプに白色LEDを採用、ソーラーパネルによる車内換気システムやスマートキーの操作で車外からエアコンが作動可能な世界初の「リモートエアコンシステム」などを採用。

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同モデルについても米国のデトロイトショー2009で発表されています。

発売と同時に日本でも予約が殺到、納車までに数ヶ月を要することになったのは記憶に新しいところではないでしょうか。 

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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