自動車分野ではEVやPHVの充電作業の簡便化を目的に注目されるようになり、家電メーカーなどの各社が開発に鎬を削っています。
「ワイヤレス給電」には、2006年に米ベンチャー企業「WiTricity(ワイトリシティ)社」が開発した「磁界共鳴方式」と日本の「ビー・アンド・プラス社」が開発した「電磁誘導方式」が存在。
現在、実用化研究の主流となっているのが前者の「磁界共鳴方式」。
小型機器の充電に用いられている「電磁誘導」方式に比べ、電力の伝送距離が長く、3kWを超える電力を20cm離れても90%以上の効率送電が可能と言います。
トヨタや三菱自、IHI、TDKなどが2011年に「WiTricity社」と技術提携してこの方式を採用、ホンダもスマートハウスに磁界共鳴方式のIHI製ワイヤレス給電システムを組み込んでいます。
一方、日産や昭和飛行機工業は後者の「電磁誘導方式」を採用、電動マイクロバスや大型電動バス・トラック向けにワイヤレス給電を実用化しています。
実用化に向けた技術基準の策定も進んでおり、総務省は車両側へのワイヤレス給電システム搭載率が2020年に20%、2030年に50%に達すると予測、海外需要はその20倍程度を見込んでいる模様。
EV用バッテリー容量が技術革新により大幅に増大するまでの間はこまめな充電作業が付いて回るだけに、充電作業の簡便化が急務の状況。TDKでは高速道路でのバッテリー切れ防止の観点から、路面からの送電による走行中給電にも取組んでいるとか。
東京五輪が開催される2020年を目処にこれらの技術が実用化される可能性が高く、今後の動きが注目されます。
■総務省 ワイヤレス電力伝送システム検討会
http://www.soumu.go.jp/main_content/000232507.pdf
■YRP ブロードバンド ワイヤレスフォーラム
http://www.soumu.go.jp/main_content/000232509.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000321200.pdf
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