スズキ「新型ワゴンR」まとめ　“発電するクルマ”がキーワードとなった理由がここに

公開日 2013/01/05 16:03
著者井元貴幸

スズキワゴンRは軽自動車にハイトワゴンと呼ばれる新ジャンルを開拓した先駆者。そのワゴンRが先進のエコ機能を装備しフルモデルチェンジし、注目を集めました。

新型ワゴンRは2012年9月6日（ワゴンRスティングレーは9月19日）のフルモデルチェンジ発表前に軽自動車初の低燃費化技術、エネチャージ、エコクール、新アイドリングストップシステムの3つを搭載する事を発表。特にリチウムイオンバッテリーと高出力オルタネーターを組み合わせたエネチャージは話題となりました。

エネチャージは、従来の約2倍と言われるオルタネーターで発電した電力と、減速時に発生するエネルギーを回生システムにより助手席下に設置されているリチウムイオンバッテリーに蓄え、発進や走行の際に発電量を抑える事で、低燃費化に貢献する技術です。

さらにエアコンユニット内に蓄冷材内蔵エバポレーターを採用する事でアイドリングストップ時の冷風吹き出し時間を長くする事が可能となり、アイドリングストップ時間を長くする事にも貢献しています。

新アイドリングストップ機構は減速時に燃料をカットした上で、13km/h以下になるとエンジンを停止し、エコクールと併せてアイドリングストップの頻度を高める事で、低燃費化に貢献しています。

ワゴンRは2012年9月6に発表、発売。スポーティなワゴンRスティングレーは9月19日より発売を開始、発売当初は全車副変速器付きCVTのみの設定であり、エネチャージ、エコクール、新アイドリングストップシステムは全車に採用されていました。

これにより新型ワゴンRはJC08モードで28.8km/L（2WD)を達成しています。

エクステリアデザインはワゴンR、ワゴンRスティングレー共にキープコンセプトであり、先代までのユーザーでも親しみやすい印象です。

インテリアでは内装の質感が高まり、収納スペースの多さも健在。助手席下に収まるリチウムイオンバッテリーの存在により、先代までのワゴンRオーナーが気になっていた、通称”バケツ”と呼ばれる、シートアンダーボックスも健在です。

搭載されるエンジンは直3 DOHC 吸排気VVT付NAエンジンと、ワゴンRスティングレー Tに搭載される直3 DOHC VVT付ターボエンジンの種類をラインナップ。スペックはNAが最高出力38kw（52PS）/6,000rpm、最大トルク63N・m（6.4kg・m）/4,000rpm、ターボが最高出力47kw（64PS）/6,000rpm、最大トルク95N・m（9.7kg・m）/3,000rpmを発生します。

登場後、従来のMTユーザーからの要望に応えるべく、2012年12月19日にワゴンR FXに待望の5MTを追加し、ラインナップの充実が図られました。

MTモデルには「エネチャージ」は非搭載となっていますが、「エコクール」と「新アイドリングストップ機構」は搭載されており、JC08モードで25.6km/Lを達成しています。この他MT専用に手動式パーキングブレーキ、セパレートタイプフロントシートが採用された他、エンスト時にニュートラル位置でクラッチを踏むだけでエンジンを始動できるエンジンリスタート機構を採用し、使い勝手を向上させています。