トヨタ GAZOO Racing、2019年のWRC参戦ドライバーを決定!豊田社長がエール

トヨタ ガズー レーシングWRT(World Rally Team)は、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)の参戦体制を発表しました。2019年シーズンも3台のヤリスWRCで全イベントに参戦します。

気になるドライバー・ラインナップはヤリ-マティ・ラトバラ(ミーカ・アンティラ組)、オット・タナック(マルティン・ヤルヴェオヤ組)は残留。エサペッカ・ラッピ(ヤンネ・フェルム組)がシーズン終了をもってチームを離れます。替わって、今シーズン途中までシトロエンチームからWRCに参戦していたクリス・ミークが加入します。

ミークは、北アイルランド出身の39歳。伝説のチャンピオン、コリン・マクレーに見いだされ、WRCで最もスピードに定評があるドライバーの1人として、WRCで通算5勝を上げています。

チーム総代表の豊田 章男氏はチームを離れるラッピ・フェルム両選手に感謝のコメントを送っています。

「ラッピ選手、フェルム選手、我々のチームで2年間一緒に戦ってくれて、本当にありがとう。
昨年のラリー・フィンランドで優勝という素晴らしい結果をもたらしてくれ、我々に感動を与えてくれました。若さに溢れるラッピ選手の活躍は、チームの大きな原動力であったと思います。
また、今年のラリー・フィンランドでは、ラッピ選手がファンを大切にし、ファンに愛されている姿を私も現地で目の当たりにしました。TOYOTA GAZOO Racingのファンとの絆を更に強くしてくれたこと、感謝しています。
コ・ドライバーのフェルム選手は、常に冗談を言って、チームを明るく盛上げてくれました。来年、私がWRCの現場に行った時、ライバルチームのテントから大きな笑い声が聞こえてきたら、仲間だったラッピ選手とフェルム選手が、元気に活躍しているのだと思うでしょう。
来年は手強いライバルとして、我々を強くしてくれると思いますし、競争を通じて一緒にラリーを盛り上げていけることに、ワクワクしています。しかし、その前に、先ずは、今年の選手権を一緒に戦い抜きましょう!最高の走りを2人にしてもらえるよう最終戦、最後のステージまでもっといいクルマづくりを続けます。

そして、来年から新しく仲間に加わってくれるミーク選手。
様々な経験を持ったドライバーであるミーク選手が、ヤリスを一段と強くしてくれることを期待しています。ヤリスに乗ったら、その感想をぜひ教えてください。思いっきり走らせられるヤリスをトミ・マキネンと共につくっていくので、来シーズンの開幕を楽しみに待っていてください。」

新たに加入するクリス・ミークのコメント

「トヨタのドライバーになることは、私にとって大変嬉しく、光栄なことです。豊田章男総代表、トミ・マキネンチーム代表、そしてチームの皆さんに心から感謝します。3年前、チーム加入の可能性について話し合ったことがあるのですが、今回、ついにチームの一員になることができ、とても嬉しく思っています。ヤリスWRCの実力は、クルマ自体が物語っていますが、敬意と礼儀を重んじる日本文化が受け継がれるトヨタのチームスピリットは信じられない程素晴らしいと感じています。来年のスタートが待ちきれません。私の最大の目標は、再び自分のドライビングを楽しみ、トヨタのチャンピオンシップ優勝に貢献することです。
16歳の時に、地元のラリー選手権で、初めて兄のコ・ドライバーとして優勝した時のクルマが、トヨタのカローラでした。そんなエピソードや、これまでの色々な縁が重なり、ここにいることが信じられない程嬉しい気持ちです。自分にとってこれ以上のチームはありません。」

ミークのコドライバーはシーズン終了後に発表されます。また、ミークは既にヤリスWRCでのテストを行っています。チームを離れたエサペッカ・ラッピ(ヤンネ・フェルム組)はシトロエン・トタル・アブダビWRTへの加入が発表されました。来年シトロエンチームはセバスチャン・オジェとエサペッカ・ラッピの加入が発表されています。

これで来年のWRCに参戦が予定されるマニュファクチャラーのうち、トヨタは全員確定。シトロエンが2名確定。M-スポーツ・フォードWRT、ヒュンダイ・シェル・モビスWRTからはまだ発表がありませんが、2018年のチャンピオンシップと並行して2019年のマニュファクチャラーチームのシート争奪戦がクライマックスを迎えます。

(川崎BASE photo:TOYOTA GAZOO RACING)