実車による衝突試験は最終確認。コンピュータシミュレーションでほぼ骨格を決定する【マツダ衝突性能開発・その2】

莫大なコストと時間がかかる衝突性能開発。マツダでは具体的にどのように開発が進められているのでしょうか。

マツダは、1990年代初めからコンピュータを使い、自動車メーカーの中でもトップクラスといわれるスーパーコンピュータ(保有能力)を誇っています。

「先行開発(一括企画)」は、CAE(Computer Aided Engineering)主体で進められ、「個別車種開発」へと進みます。今回は実際に64km/hオフセット前面衝突試験の様子も取材させていただきましたが、こうした実車衝突試験は最終確認として行なわれます。

担当者の方によると、1990年頃で年間500〜600台くらいは実際に「潰していたかな?」とのこと。現在はCAEにより最終確認という段階にまで減らせたそうです。

試作車を作るには市販車とは比べられないほど高いコストがかかりますし(今回のCX-8はおそらく生産ラインから取り出した車両とのこと)、準備や確認、検証にも時間がかかります。「そんなペースでつぶしていたら、会社が潰れてしまう」とは関係者の弁。

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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