【東京オートサロン2018】ダイハツだけの『4人乗りトラック』、ダイハツらしい『赤黒金のホットハッチ』など、ダイハツらしさの拡張を展示

東京オートサロンのダイハツブースは独特の盛り上がりを見せています。というのもお客さんが多いのはもちろん、滞在時間が長いのです。

それもボディの各所を次々に見て回るのではなく、たとえば1人で来たあの人はじっくりハイゼット ジャンボを見たまま動かない……瞑想しているのか!? こちらでトールスポルツァを見ている3人組の会話に耳を澄ますと「○△さん、今の★★(車名)やめてこれにしたら?」「う~ん」と相談中。

そうか、さっきの立ち止まっていた人も含め、長期滞在している人は「これ買いたいな~」とか、「このクルマがあったらアレしたい!」という現実的なレベルで「妄想」しているようなんです。

見る人が具体的に夢を描ける背景にはベースが軽自動車やコンパクトカーといったリーズナブルなモデルだから、ということも多分にあります。しかしもっと大きいのは「これならディーラーで売っててもおかしくないよな」と思えるカスタムのディテールにあると思えます。最新のトレンドを盛り込み、新規提案をしながらも「やり過ぎていない」。そのあたりのさじ加減が絶妙なんですね。

ダイハツデザイン部第1デザイン室ECDグループ課長の芝垣登志男さんに今回の出展車両のテーマを聞いてみました。
「『もっと楽しく、もっと自分らしく』をテーマにしていますが、具体的な制作過程で念頭に置いたのは『ダイハツらしさを探す旅に出よう』というものです。カスタムのテーマを我々とはまったく別のところから(取ってつけたように)持って来るのではなく、自社の歴史や強みの中から見い出そうというものなんですね」
なるほど、それはシャレードデ・トマソやミラTR-XXをほうふつとさせるカラーやディテールのカスタム車などにはっきり見て取れますね。

「はい。また、ダイハツがお客さんに近づくためには何をしたらいいのかを徹底的に考えました。そのためカスタム内容を飛躍しすぎず現実的なものとしています。この考えを具体化するため『欲しいをカタチにプロジェクト』と題して、結果いかんで市販も視野に入れる人気投票システムも導入しました」
芝垣さんの言うこの人気投票システムはブース設置のタブレットを使ったもの。お客さんがタッチパネルで自分の一押しカスタムを投票し、得票数でランキングを決めていきます。

この順位はショー期間中にも「中間発表」としてリアルタイムで報告もされていくんですよ。

実際にこの投票を行った人に話を聞いてみましょう。夫婦とお子さんの3人連れ(奥さんはカメラ前からササーッと逃げてしまいました<笑>)で長野県からお越しのキタザワさんとそら君です。


「母親が同じ型に乗ってるのでタントカスタムの白いの(プレミアムバージョンのこと。編集部注)に興味があります。あとムーヴ・キャンパス(同)も高級感があっていいですね」
なるほど。では何に投票しました? 教えてください。


「トールの白いのです(トール プレミアムバージョン)」
え、さっき言ってたのと全然違いますね!?
「ぱっと見でかっこよかったのでつい……(笑)」
というわけで、目移りしちゃっていた親子さんでした。続いては山梨からお一人でやって来た和也さん。

投票したのはハイゼット カーゴ デッキバン アクティブバージョンとのこと。どこが気に入りました?
「全体の雰囲気がワイルドでいいです。車高も上げすぎず、でも物足りなくもない絶妙なところが気に入りました。また、半ツヤ・ブルー系迷彩のカラーリングもありそうでないオリジナル度の高さですね」
聞けば和也さんはフォードのフルサイズピックアップトラック『F-150』に乗っているとのこと。
「もしこのデッキバンを手に入れたら? F-150の隣に並べて置きたいですね」
それは絵になりそう! というわけで会場の人気投票システムは多くの人がバシバシとタッチしています。

そして、この人気投票をした人には『特製ブーン スポルト パッケージ&シャレード・デ・トマソ トートバッグ』がもらえますよ(枚数限定)。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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