ヒュンダイは展示車両としてはかなりの台数をそろえましたが、ワールド・プレミアとなると意外にも数が限られます。というのもヒュンダイはワールドワイドでの展開をしていますので、ソナタ・ハイブリッドは2010年のニューヨークショーで、ソナタのワゴン的存在であるi40は2011年のジュネーブショーでというように、先行して発表しているためです。
そのなかでも初登場となったコンセプトカーがBlue2(実際には2乗の表記:ブルー・スクウェアと読む)です。この2は水素H2を表現したもので、水素を利用した燃料電池車です。
エクステリア・デザインのキーワードは、インターセクティド・フロー”交差する流れ”を表現しています。これまでのソナタやアクセントでヒュンダイは独自の新しいデザインの方向性を見せつけましたが、さらに異なるステージへと進化していくことを主張しているようです。韓国の国旗には相反するものの融合が示され、それが韓国のものの考え方のひとつとされるといわれますが、そうした韓国らしさの象徴として据えられたキーワードのようですね。
テーマを表現するドアサイドのブラックアウト部分は、非常に唐突な表現なのですが4ドアの平凡なセダンのたたずまいを、実にスポーティに見せています。ドアが小さく見えるため、クーペ的な印象に見えるのでしょう。あまり見たことがないアイデアです。さらにサイドビューのシルエットは、短いノーズとテールのバランスが非常に安定してよいカタチに見えます。ディテールを見ると色々思うところはあるのですが、コンセプトカーの試験的な部分と考えたほうがよく、ヒュンダイのこの先の本質はそうした大づかみなフォルムや面質にみえているのではなでしょうか? いよいよイチヌケで、BMWシンドロームからの脱出ができるかもしれませんね。
(MATSUNAGA, Hironobu)