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■2020年に続々登場する新型車は魅力がいっぱい!
●良いものを買いたい! それがユーザーの回答か
今年2020年の秋は、コロナ禍で延び延びになっていた新車が続々と登場してきそうです。
すでに発表・発売したハリアーは、トヨタの予想に反してバカ売れ状態。しかも400万円前後の高いモデルを中心に、4~5万台も注文が殺到しているみたいです。配布された一人10万円の給付金は関係ないと思いますが、ある一定層のユーザーはコロナ禍の中で、良い買い物をしたいと願っていたのかもしれないと思うのです。
私もRAV4プラグインと同時に開催されたハリアー・プロトタイプの試乗会に参加したのですが、まさかハリアーがここまで進化しているとは想像できませんでした。RAV4と同じプラットフォームなので、そのリバッジ(Rebadge=バッジだけを変更した中身は同じもの)だと思っていたのですが、実はサスやボディがRAV4よりもワンランクアップデートしているのです。エコノミーシートだと思っていたら、ビジネスクラスに乗れたような嬉しさがありました。
詳しくは過去記事を参考にしてください。
・新型ハリアーに清水和夫が速攻試乗!「なんだコレ、凄くイイじゃないか!」【StartYourEnginesX】
・新型ハリアーに神降臨!? HVのハンドリングは思わずバトルしたくなるよ!by清水和夫【StartYourEnginesX】
・清水和夫も想定外! トヨタRAV4 PHVは重量級だからこそ AMG並みのパフォーマンスを得た【StartYourEnginesX】
・トヨタRAV4 PHVは頭のいい肉食系!? 清水和夫が開発陣に突っ込んだ!【StartYourEnginesX】
何が言いたいのかというと、コロナ禍の2020年は、日本車の当たり年になりそうな気配がするのです。その先兵はトヨタ・ヤリスとホンダ・フィット、続いてトヨタ・ハリアーとRAV4 PHV、さらにヤリス・クロス。そこにスバルから2代目レヴォーグが秋にデビューしますし、ホンダからは世界初の自動運転(レベル3=部分的自動運転)が登場。レクサスも負けじと次期型LSを市販しますが、中身は世界でもっとも先進的な自動運転技術を搭載するイージス艦のようなモデルなのです。
電動車両ではRAV4 PHVが想像以上に肉食系だったので「欲しい!」と思いましたが、バッテリー調達の関係で、2021年3月末までの分は売り切れだそうです。補助金制度の関係もあり、2021年4月以降は受注できない辛さがあるようですが。
一方、プリウスのPHVは全く売れずに、トヨタはPHVに対してトラウマになりそうだったみたいですが、RAV4 PHVはまったく逆の状況になりましたね。
昨年2019年のLAショーで発表したRAV4 PHVのスペックを見たときは目を疑いました。約300psで0-100km/h加速が5秒台。あの巨体が、そんな俊敏なSUVに変身するとは信じられなかったのです。なので、プロトタイプの試乗会ではハリアーなど目もくれずにRAV4 PHVのパフォーマンスを試したくて、試乗会に乗り込んだのでした。しかし、そこで乗ったRAV4 PHVの完成度は驚くほど高く、トヨタのクルマ作りの旨さが光ってました。完全にユーザーの心を捉えたのです。
●トヨタの「プラスサポート」技術は世界をリードする
新車以外の技術では、地味ですが足元を見てみると、これまた「驚き桃の木山椒の木」なのです。低速の自動ブレーキとして普及している「被害低減ブレーキ」も多様なシステムが登場し、サポカーが充実した上に、ついに認定制度も制定され、ユーザーには嬉しい政策が実行されています。
さらに、私が感心したのは7月1日に発表しプリウスに搭載された「プラスサポート」。これはペダル踏み間違えの加速抑制システムですが、センサーを使わずに、ドライバーの右足の動きだけでアクセルとブレーキの踏み間違えを予測し、加速を抑制するというシステムなのです。
・ペダル踏み間違え事故を無くせ!! トヨタの急アクセル加速抑制「プラスサポート」を清水和夫が試してみた【StartYourEnginesX】
このシステムは2つの視点で先進的なのです。
[1つ目の視点]
この技術はフィードバック(対処療法)ではなく、フィードフォワード(予測対応)システムであること。池袋の悲惨な事故は前を走るクルマのいない単独の踏み間違え事故なので、従来のセンサー主体のシステムでは事故を防ぐことができないのです。
[2つ目の視点]
この技術は長い間、集積してきた実際のドライバーの右足の動きのデータを分析し、シミュレーションして開発した技術なのです。つまり、ビッグデータとAI分析でシステムが完成したのです。これは世界でも初めてのことではないでしょうか?
さらに後付けのペダル踏み間違えシステムも、自動車メーカーから、さらにはカーショップやアフターパーツメーカーの製品も出揃い、まさにローテクからハイテク、アナログからデジタルなど、百花繚乱の如く日本のオールジャパンの技術がラインアップされます。技術も多様なのでそれぞれ機能の限界があり、そのすべてを説明できる人は多くないと思いますが、本clicccarでは今後、分かりやすく説明していきます。
日本の自動車産業の安全面で(自動運転からサポカーまで)、ここまで気持ちをひとつにして、産官学一体となって取り組み、成果を挙げた年はなかったかもしれません。あえて言えば1989年の再来でしょうか。あのときは、スバル・レガシィ、マツダMX-5(ユーノス・ロードスター)、日産・スカイラインGT-R(R32型)、トヨタ・セルシオ、ホンダ・NSXが前後して登場しました。あれから30年、ようやく日本メーカーが大きく飛躍したのです。1989年と2020年、日本の自動車に関わる人たちにとってメモリアルイヤーになることは間違いないでしょうね。
(清水 和夫)
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