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■通常業務への支障を極力回避
国土交通省自動車局で新型コロナウイルスの感染が広がっています。局内の感染者は11人(5月1日現在)。4月20日に最初の感染者が明らかになって以来、ほぼ1日1人のペースで増え続けました。
感染者だけでなく、同じフロアーの執務室で仕事をする職員も健康観察のための自宅待機を余儀なくされ、自動車行政の司令塔の機能不全が心配されます。
「本省業務の執行体制を確保しながら、必要な行政機能を維持しております。現在こうしたことが何か支障を生じているとは認識しておりません」
5月1日の閣議後会見で赤羽一嘉国土交通相は職員の感染による業務への影響を否定しました。これまでの経緯について、自動車局はこう話します。
「最初に感染した職員は8日から発熱があり、それ以降出勤せず、20日に感染がわかりました。この間、非常事態宣言を受けた国交省は出勤者の7割削減を目標に在宅勤務や複数チームでの交代制勤務を進めてきました。職員のほとんどは在宅になっているため、(感染拡大の)流れは断ち切れると思います」
自動車局は地方支局と違って直接、利用者と向き合うことはまれです。ただ製造や整備の基準を定めるほか、旅客や貨物の運送事業の監督を担い、広く自動車関連産業に影響を与えます。
新型コロナ感染拡大に伴い、例えば整備では検査・登録手続きの延長を決め、旅客では顧客が急減した貸切バスやタクシー事業者の新たな対応を打ち出すなどしてきました。緊急事態宣言の延長が検討されるなど刻々と変わる状況で、差し迫った対応を求められる案件が山積みです。
これらについて、赤羽国交相は不安を打ち消そうとしました。
「関係する事業者や団体へのテレワーク時の連絡先の周知、電話の自動転送など、通常業務への支障を極力回避するとともに、省内ネットワークへのアクセス改善を含め、テレワーク環境の抜本的な見直しを計画的に進めています。こうした取り組みを加速することで、本省業務の執行体制を確保しながら、必要な行政機能を維持している」