80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第30回は、虚飾に頼らず先進かつモダンなボディで勝負したアッパーミドルセダンに太鼓判です。
1988年のトリノ-ビエモンテ・カーデザイン・アウォードを受賞したコンセプトカーARC-X。5ナンバー版のセフィーロとともに、そのコンセプトを本格的な3ナンバーセダンで具現化したのが、3代目のマキシマです。
サイズ以上の大きさを誇示する従来の大型セダンとは異なりスラントノーズとハイデッキを組み合わせたボディは、全体を柔らかな曲面で構成することで3ナンバーながら「パーソナルセダン」であることを印象付けます。
スマートなボディは広いグリーンハウスと組み合わされることで高い合理性を示し、さらに大きく傾斜したリアウインドウによる流麗なプロポーションがARC-Xに準じたモダンさを演出。
装飾的なキャラクターラインを廃したボディサイドは、豊かで張りのある面で構成。バンパーやサイドモールとの一体感も強く、あたかもひとつのカタマリから削り出されたような凝縮を醸し出します。