先日お伝えしたとおり、2015年消費税率10%時の自動車取得税(地方税)廃止に伴う財源確保のため、自動車税(地方税)に関する課税制度の見直しや軽自動車税(地方税)の増税に向けて総務省が動き出しています。
政府内でも税収確保を求める総務省や財務省と、自動車の販売落ち込みを懸念する経済産業省が対立している模様。
11月29日の産経新聞報道によると経済産業省の茂木敏充経済産業相が閣議後の記者会見で、自動車関連税制の見直しに関して「税はシンプルであるべき」と述べ、出来るだけ判り易い仕組みが望ましいとの考えを示したようです。
同相は11月15日にも「軽自動車は地方では生活の足であり、負担増にならないようにしたい。代替財源は自動車関連税の中ではなく、税全体で議論するのが本来であり、取得税廃止がユーザー負担減に繋がるようにすべき」との認識を示しており、総務省の軽自動車税増税案にクギを刺しています。
これまでに総務省は有識者などで構成する「自動車関係税制のあり方に関する検討会」を発足させ、エコカー減税を拡充する一方で、排気量などで税額が決まる現行の自動車税制度から燃費に応じた課税方式への見直しを提言。
政府は総務省が提出した自動車税見直し(増税)案を元に、与党の税制協議を経て年末に纏める「税制改正大綱」に盛り込む予定。
総務省案が導入されることになれば、軽自動車や新車登録から13年を超えた旧型車は結果的に増税になる可能性が高いと見られています。
そうした中、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が11月22日、軽自動車ユーザー2,500人を対象に11月2日~4日にかけて実施したインターネットによるアンケートで軽自動車税が引き上げられた場合、94%が「負担を感じる」と回答、増税に対する賛否は、反対が98%だったと発表。
同様に今年7月5日~8月31日にJAFが全国の自家用乗用車ユーザーを対象に実施した現行の自動車税制に対するアンケート調査でも98%のユーザーが自動車諸税を負担に感じており、「非常に負担」と回答した人が約6割に上っています。
全軽自協は「軽自動車の車体課税は国際的に見ても適正な水準。今回の総務省の増税提案は自動車取得税の廃止を無意味なものとし、負担の軽減どころか負担の増加になる」と厳しく批判。
さらに「現在の軽自動車は2,800万台を超えるユーザーに使用されており、公共交通機関が整備されていない地方で軽自動車は勤労者、女性、高齢者や商店、農家などの小規模事業者にとっての貴重なライフライン」
「軽自動車ユーザーは比較的収入が低い方が多く、一家に複数台保有せざるを得ない地方のユーザーには多大な負担となる」として総務省が提案している自動車取得税廃止の代替財源を軽自動車税の増額に求めることに「断固反対」 の姿勢を表明。
このように、以前から日本自動車工業会が主張しているとおり、軽自動車税が安過ぎるのでは無く、「普通車の自動車税が高過ぎる」というのが同連合会の総意。
政府が年末に纏める「税制改正大綱」に向けて自動車業界からの反発はいっそう高まると予想され、経済産業省からの増税案に対する見直し要請も含めて今後政府としてどのように折り合いをつけるかが大いに注目されます。
■全軽自協「軽自動車税に関する緊急ユーザーアンケート調査結果」
http://www.zenkeijikyo.or.jp/pdf/kei_zei131122.pdf
■総務省 「自動車関係税制のあり方に関する検討会」報告書
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu03_02000013.html
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