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■車酔いは「脳の混乱」が引き起こす
日常の移動手段として大いに重宝する車ですが、その一方で「乗り物酔い」に苦しんでいる人が多いといいます。
車は乗り物酔いのTOP3(長距離バス、フェリー、自家用車)に入っており、20~50代の成人男女約1万2000人を対象にした調査によると、全体の約25%もの人が乗り物酔いに悩まされているそうです。
中でも酔いやすい車内での行動TOP3は「スマホ操作」「読書」「ゲーム」とか。
今後、自動運転技術が発達すると、ドライバーが同乗者と同じ立場になるため、車酔い人口がさらに増えると予想されています。
●車酔いのメカニズム
現状、ドライバー自身は運転に集中していることもあり、車酔いするケースは稀ですが、運転操作が荒い人の車に同乗してスマホの操作をした際、気持ち悪くなった経験は誰しもあるのではないでしょうか。
その原因には様々な説があるようですが、一般的に“脳の混乱”によるものとされています。
車酔いには耳、目、脳などが関係しており、揺れや不規則な加減速の反復を受ける内耳(三半規管や耳石)からの情報と、目や体から受ける異なった情報により、脳が混乱することで起きる「自律神経系の反応」が主因。
たとえば、乗り物内で体が揺れているにもかかわらず、スマホなどの静止情報を注視し続けると、情報の矛盾から脳が混乱して酔いやすい状況が発生。逆に体は静止しているのに、ゲームなど動きの激しい画面を目で追い続けた場合にも、情報が矛盾していると感じて脳が混乱するそうです。
人間はこのような状態に置かれると、体の機能をコントロールしている自律神経系が混乱して乗り物酔いの症状に繋がるといいます。
対策としては、走行中に揺れる車内でスマホの操作や読書をしないのがベストですが、すでに前述のような状況に陥ってしまった場合、通常は「酔い止め薬」に頼ることになります。しかし、飲薬に抵抗がある人も多いそうで、乗り物酔いしやすい人ほど薬に頼らざるを得ず、使いたくないのに飲まなくてはいけないというジレンマに悩まされているようです。
●ミントガムを噛むことが車酔い防止に効果
そうしたなか、ガム製品を扱うロッテが「ミントガムによる乗り物酔い軽減効果」の研究を、三重大学工学研究科・小川将樹助教とともに実施。
同社は2023年11月「乗車中にミントガムを噛むことにより、酔いによって生じる主観的な気持ち悪さが軽減される」との論文を発表しました。
三半規管からの情報で脳や自律神経が混乱した場合、お菓子類の摂取が血糖値を上昇させ、脳の活性化に繋がることから、同社は20~25歳の成人男女47名をマイクロバスに乗車させて車内でスマホを操作。
ミントガムの咀嚼により、どの程度酔い止め効果が発揮されるかを10段階で評価した結果、咀嚼ありの方の気持ち悪さが軽減すると共に、目の疲れやふらつきの軽減効果も確認できたそうです。
同社は以前、VR映像鑑賞中にペパーミント香料含有菓子を食すことで、映像酔いによるふらつき感が軽減されることを突き止めていました。
それをヒントに、「ミントの香り」と「噛む」の相乗効果が車酔いの軽減に繋がると考えて、同研究をスタート。
ミントの香りには混乱し始めた自律神経を整える効果があり、さらにガムを噛むことで、咀嚼による骨振動が内耳の器官を刺激して車酔いの抑制に効果を発揮するようです。
もちろん、菓子メーカーとしての思い入れや個人差もあるので、あくまで参考情報となりますが、もし車酔いに悩んでいるようなら、一度試してみる価値があるかもしれません。
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