「ハンマーヘッド」デザインの展開が加速! 新型C-HRにも採用。トヨタの狙いは?

■ヘッドランプへのLED導入で進む意匠の多様化

欧州向け新型トヨタ「C-HR」
欧州向け新型トヨタ「C-HR」

トヨタ自動車が2023年11月18日に発表した、2代目となる「C-HR」。

年内に欧州で納車を開始するそうですが、そのフロントマスクには同社が展開する“ハンマーヘッド”デザインのDRLが採用されています。

新型トヨタ クラウン「スポーツ」
新型トヨタ クラウン「スポーツ」

ちなみにハンマーヘッドは「シュモクザメ」の別称で、フロントマスクに左右一対に配した“コの字”型DRLが、シュモクザメの頭部形状に似ていることが命名の発端。

近年のLED性能向上に伴い、横一列の単純な配置からの脱却を図るアイデアの一つと言えます。

中国向けBEVセダントヨタ「bZ3」
中国向けBEVセダントヨタ「bZ3」

このデザインモチーフは、2022年7月に一般公開された現行クラウンの派生モデル「スポーツ」や「セダン」「エステート」から採用が本格化。

トヨタ「 bZ コンパクト SUV」
トヨタ「 bZ コンパクト SUV」

同年10月にはBYDとの共同開発による中国向けBEVセダン「bZ3」への採用が判明。

さらに11月にはロサンゼルスオートショー2022で「bZコンパクトSUVコンセプト」が公開され、今後のトレンドを探るモデルにも“ハンマーヘッド”デザインが採用されていました。

●新型プリウスのヒットで“ハンマーヘッド”デザインの認知度が急上昇

現行プリウスPHEV
現行プリウスPHEV

そうしたなか、2023年1月に新型プリウスが国内発売されると、先代との変化量の大きさから一躍人気モデルとなり、巷で目にする機会が増えるにつれて斬新な“ハンマーヘッド”デザインに対する認知度も上昇。

トヨタ「bZ スポーツ クロスオーバー コンセプト」
トヨタ「bZ スポーツ クロスオーバー コンセプト」

同年4月には一汽トヨタが上海国際モーターショー2023で、中国市場へ導入予定のBEV「bZ スポーツ クロスオーバー コンセプト」を公開。同車にもこのモチーフを採用。

米国向け新型トヨタ「カムリ」
米国向け新型トヨタ「カムリ」

さらに11月に米ロサンゼルス・オートショー2023で公開された新型「カムリ」や、一汽トヨタが広州モーターショー2023で公開した中型BEVセダンと同SUVのコンセプトモデルにも採用するなど、今後も世界レベルで同モチーフを採用したトヨタ車の登場が予想される状況にあります。

●トヨタブランド車の「顔」にも一貫性?

一方、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどの欧州車の場合、長らく基本デザインを継承しながらも、飽きがこないように“手を変え品を変え”フロントマスクをデザインしているのはご存知のとおり。

トヨタのSUV型BEV「bZ4X」
トヨタのSUV型BEV「bZ4X」

日本車でもレクサスの“スピンドルグリル”や日産の“Vモーション”、マツダの“ファイブポイントグリル”などがそうした手法に倣っていると言えます。

そこで「トヨタ」ブランド車でも上級モデルやスペシャリティモデル、BEVなど、プレミアム性や先進性をテーマにした車種に“ハンマーヘッド”デザインを導入することで、差別化を図ろうとしているようです。

次期トヨタ「セリカ」(筆者予想)
次期トヨタ「セリカ」
(筆者予想)

したがって、先頃ご紹介した今後登場が予想される「次期セリカ」などへの採用も十分考えられます。

ただ、“ハンマーヘッド”デザインは精悍な印象を与える反面、表情がやや希薄で、今後登場する新型車の多くがこの顔になった場合、逆に新鮮さやワクワク感が薄れてしまう可能性も。

デザイナーにとっても、意匠が束縛されることで新たなアイデアを出し難い状態に陥る可能性があり、近年レクサス車のフロントマスクにもそうしたジレンマが感じられます。

●ある程度バリエーションが必要

前置きが長くなりましたが、そこで求められるのが新たなLED活用方法。

新型トヨタ「ランドクルーザー」
新型トヨタ「ランドクルーザー」

トヨタの場合、単眼プロジェクター式LEDランプの周りに環状DRLを配したパッチリ「丸目」のヘッドランプについても、新型ランクルシリーズでトライしています。

ダイハツがジャパンモビリティショー2023で公開した「ビジョン コペン」や、以前に日産が欧州で公開したコンセプトカーも同様な手法。

ダイハツ「ビジョン コペン」
ダイハツ「ビジョン コペン」

省電力で対向車からの視認性を上げるのに有効なLEDですが、クルマのヘッドランプは人間の「目」に相当するだけに、いかにして従来のような多彩な表情をLEDで作り出せるかが腕の見せどころ。

特に「変わり映え」を求められる国内市場では、ある程度のスパンでアイデアを“スクラップ&ビルド”しながら、新型車に反映していく手法が必要なのかもしれません。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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