■ヤマハとオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」を新開発
三菱自動車はインドネシアで2023年8月に開催される「第30回インドネシア国際オートショー」で、新型コンパクトSUVを世界初披露すると発表しました。
三菱のコンパクトSUVといえば、2010年登場という、驚くほど長寿モデルになっている現行RVRが思い浮かびます。
以前お伝えしたように、欧州向けは、ルノー・日産・三菱アライアンスにより、キャプチャーのOEM版である新型三菱ASXに移行しています。また、こちらも以前お伝えしたように、2022年10月には、ベトナムで「MITSUBISHI XFC CONCEPT」がワールドプレミアされています。
このほど公開された新型コンパクトSUVの写真を見ると、ヘッドライトのデザインが似ているようにも映ります。
新型コンパクトSUVは、同社の事業の中核を担うアセアン地域に投入される新型SUVの第1弾です。
三菱が長年培ってきたクルマづくりのノウハウを注ぎ込み、スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVらしいデザインを備えています。
さらに、運転のしやすさや多彩な収納スペースによる実用性の高さ、広々としたキャビンによる快適性なども特徴です。
また、アセアン地域の路面環境でチューニングを繰り返すことで、荒れた路面や激しい降雨でも安全、安心の走破性を実現したとしています。
新開発のオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」が初めて搭載されることも明かされています。
楽器、音響メーカーのヤマハと三菱自動車が互いのものづくりの考え方に共感し、同システムを共同開発。新型コンパクトSUVの室内音響特性に合わせて専用チューニングされたオーディオシステムは、高品質で臨場感のあるサウンドを奏で、乗員みんながワクワクする、より快適で楽しいドライブを提供するという自慢のシステム。
ヤマハは、中期経営計画「Make Waves 2.0」において、車載オーディオシステムを核とした部品、装置事業を楽器、音響機器事業に次ぐ第3の柱にするため積極的な取り組みを推進しています。これまでにヤマハの車載オーディオシステムは、複数の自動車メーカーに採用され、多くのユーザーから高い評価を得ています。
今回の協業を機に、グローバルに広がる三菱自動車のユーザーに上質で新しい音楽体験をもたらすことで、さらなる事業成長を目指す構えです。
ヤマハは「Closer to the Artist」をキーワードに、キャビンの音響を追求。車両の個性やコンセプト、ユーザーにアピールする価値観と一体となったサウンドを専用設計することで、そのクルマにふさわしい理想の音を目指しています。
音響空間を構成するハードウェアにもこだわり、たとえばフラグシップスピーカーにも使われるオリジナルの振動板、自社製のオーディオDSPなどが用意されています。
機能面では、エンターテイメントと安心・安全の両面で新しいサウンド体験を追求。Dolby Atmosなどの立体音響コンテンツに対応し、すべてのシートで圧倒的な没入感を体感できるほか、警告音などにも方位情報を付加することで、ドライバーの認知が向上し、運転支援につながることも期待されます。
なお、開発中の機能を含んでいるため、三菱の新型コンパクトSUVにこうした機能がすべて採用されるわけではないそうです。
今回公開される新型コンパクトSUVは、「MITSUBISHI XFC CONCEPT」の市販仕様なのか、新型ASXのアセアン向け仕様なのか、それとも同社独自開発による新型(次期)RVRなのかは現時点では不明ですが、中核を担うアセアン地域に投入される三菱自動車渾身のモデルとなりそうです。
(塚田 勝弘)