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■トーヨータイヤの新タイヤ「PROXES Comfort IIs」を井出有治が超ヘビーウェットで試乗
●あらゆる性能を網羅するプロクセス・コンフォートIIsの実力はどうだ?
トーヨータイヤでは、オフロード系のOPEN COUNTRY(オープンカントリー)や、軽自動車&ミニバン系のTRANPATH(トランパス)など、様々なブランドがあります。
今回、試走したPROXES(プロクセス)シリーズには、スポーティなだけではなく、高速安定性やウェット性能、環境性能など、タイヤに求められるすべての性能を、幅広いユーザーが安心して使用できるようなタイヤが勢ぞろいしています。
そんなプロクセスシリーズの中でも、比較的スタンダードなタイヤが「Comfort(コンフォート)」。このコンフォートに2023年3月「Comfort IIs」が誕生したってことで、早速試してみました。
テスターは、クリッカーではすっかりお馴染み、元F1ドライバー井出有治さん。トップフォーミュラからS-GT、S耐などを極めてきた井出さん、タイヤに関しては「うるさいですよ~」。
が~! 桜散らしの超ヘビーウェットの中、井出さんを以てしても、果たしてタイヤ性能はあきらかになるのか!?
●プロクセス・コンフォートIIsの特徴
コンフォートIIsは、トレッドパターンが非対称というのも特徴です。
内側はラテラルサイプと呼ぶ静粛性もあるブロック、外側には高剛性リブやブロックにより操縦安定性を狙ったパターンとなっています。
また、AI技術や高精度シミュレーションを駆使し開発される「T-MODE」により、CASEにも対応。燃費にも影響を及ぼす走行抵抗にも対応し、転がり抵抗を減らし(プロクセスC1S比、で28%低減)、燃費、ドライ/ウェット、静粛性、乗り心地、摩耗ライフという、タイヤが求める性能のすべてで向上されたとのこと。
でもまぁ、まずは乗ってみないと!
プロクセス・コンフォートIIsをテストする車両は、トヨタ・カムリ。装着されるタイヤサイズは215/55R17で、同サイズの新旧(コンフォートIIs/コンフォート)比較でのテストです。
●井出有治、高速スラロームでシャキッと感を実感!
まずは高速周回路(といってもストレート120km/h制限)から。
「まずは旧型。基準として乗った感じは、何の不満もないし変な感じも無い。これがどう新型で進化しているのかな?
と思いながら新型のコンフォートIIsで走ったら、車両(カムリ)が1年の年式差があり、その影響を考慮しても、タイヤ自体もIIsのほうがシャキッとした感じで剛性感もあるし、レスポンスも結構よかったですね。
でも、旧型も悪くないんだよね~。両方ともバランスよく仕上がっているし。
それに、新型IIsは総合性アップというよりも、スポーティ方向に振っている感じ。
高速道路でのレーンチェンジというか、軽くスラロームでチェックしたんだけど、クルマの年式の差なのかな?と思うくらい、タイヤでの差はあまり感じず…。
でも、フルブレーキングしてみたら、新旧でのしっかり感の違いが感じられました。でも、制動距離に対しては、あまり変わらなかったです」。
●ハンドリング路では、横方向の踏ん張り感が新旧でまったく違った!
低速コーナーが続くミニサーキットのようなハンドリング路では、超ヘビーウェットにプラス、散水して水量をさらにアップ! あら、ウェット性能に自信ありなのか!?(笑)
「高速周回路では旧型も不満なく走れたのが、ハンドリング路だと新旧の違いがモロに感じられました。
まず、剛性的に旧型は柔らかく感じ、後に乗った新型IIsは、荷重が高いコーナーになればなるほど、横方向に力が入ったときの踏ん張り感があるので、フロントがより入ってくれます。
ハンドリングだと、荷重が乗ることで余計、動きが大きくなるので、柔らかさの比較ができます。もしラップタイムを計っていたとすると、新旧で2~3秒の差が出たんじゃないかな? それくらい、やっぱり新型は走りやすいし、進化具合は凄いですよ」。
増水した川のような路面でしたけど、ウェット性能はどうなのでしょうか?
「横剛性がしっかりしすぎてグリップが抜けるかな?と思ったけど、ちゃんと面圧がかかって荷重が乗ってグリップしていました。本物の雨が降っているうえに散水もしているのもあって、途中、池っぽくなっているところも何ヵ所かあったけど、そういうところでも、剛性感があるからこそ水も切ってくれる。
もちろん、パターンでの排水性もあるんだろうけど、ちゃんと荷重がかかるから水を切ってくれる、という感じでした。ただ、排水性だけでいうと正直、新旧での違いは分からなかったです。旧型もなかなかなので。
でも、新型IIsのほうがレスポンスがあるというか、タイヤの外側にグッと押し付ける感じがあって、それは良かったですね。
新型IIsはしっかり感があって、ちゃんとタイヤが支えてくれ、踏ん張ってくれるので、少ない舵角でもクルマが曲がっていってくれます。
連続で荷重移動が起こるタイトなコーナーでは、旧型だとどうしても倒れ込んだ時にリバウンドの戻りが無くて、遅れるというかダルな感じ。それが、新型IIsだとシャキッとしていてスポーティな走りにちゃんとついてきている。かといって、ゴツゴツしているという感覚も無いんです。
開発の方がおっしゃっていましたが、コンフォートIIsは横剛性をしっかり出すようにしたとのこと。その点、フィーリングだけで言ったら、コンフォートIIsはだいぶスポーツのほうに振ったのかな? コンフォートというより、スポーツに近い感じ(同時にプロクセス・スポーツ2も試乗した)。
コンフォートIIsは、普段ゆっくり走るときでももちろんいいし、ちょっとペースを上げてパパっと走りたいときにもちゃんと応えてくれる。という部分では、新しいコンフォートIIsはいいトコロにおけたんじゃないかな、と思います」。
●旧型では…実はコースアウトしていた!w
「実は…最初、旧型で走ったとき、コースを憶えながらっていうのもあったんだけど、ハイドロで3回くらいコースアウトしちゃいました! ヤバッ!!と思ったけど、ちょっと無理して水たまりに乗ると、ズコンと抜けて…。スタックするかと思った~! なので、コースアウトしたのがバレないように、散水で足元のドロを洗車しながら走ってました(笑)。
でも、新型IIsではそういうのが無かったし、コースアウトもしませんでしたヨ! 確実に排水性がアップしていたという証拠ですね!」
旧型よりスポーツ性能もアップ、カムリクラスのタイヤならより安心して走れる進化を遂げたプロクセス・コンフォートIIs。こんな超ヘビーウェットでもシャキッとした走りで安心して踏めたそうです。
(試乗インプレッション:井出 有治/文:永光 やすの/画像:平田 勝、トーヨータイヤ)
【TOYO TIRES PROXES Comfort IIs サイズラインアップ(全39サイズ)】
・15インチ
185/65R15 88H
195/65R15 91H
・16インチ
205/55R16 91V
185/60R16 86H
205/60R16 92V
215/60R16 95V
・17インチ
215/45R17 91W
225/45R17 94W
205/50R17 89V
215/50R17 95V
225/50R17 98V
215/55R17 94V
225/55R17 97W
195/60R17 90H
・18インチ
225/40R18 92W
245/40R18 97W
215/45R18 93W
225/45R18 95W
235/45R18 98W
245/45R18 100W
215/50R18 92V
235/50R18 101V
245/50R18 100W
215/55R18 95V
235/55R18 100V
225/60R18 100V
235/60R18 103V
・19インチ
245/40R19 98W
235/45R19 95V
245/45R19 102W
195/50R19 88V
225/55R19 99V
235/55R19 101W
・20インチ
245/40R20 99W
245/45R20 103W
255/45R20 101W
235/50R20 104W
235/55R20 102V
・21インチ
225/45R21 95W
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