大型二輪免許はいきなり取れる? 普通二輪や原付など、二輪免許を取得する方法と費用を調べてみた【意外と知らない運転免許証】

■教習所と試験場での違いなどをチェック

バイクやスクーターなどに乗るために必要な二輪免許。運転できるバイクの排気量によって、二輪免許にはさまざまな種類がありますが、それぞれ取得するにはどんな方法があるのでしょうか?

二輪免許を取得する方法と費用を調べてみた
二輪免許を取得する方法と費用を調べてみた

ここでは、意外に知らない二輪免許の取得方法や費用などについて紹介します。


●自動車教習所で取得する場合の流れ

まず、ご存じの通り、二輪免許には、以下のような種類があります。

・大型二輪免許:排気量の制限なし(401cc以上もOK、18歳以上)
・普通二輪免許:50ccから400ccまで(16歳以上)
・小型限定普通二輪免許:50ccから125ccまで(16歳以上)
・原付免許:排気量50cc以下のバイク(16歳以上)

大型二輪免許は18歳以上、それ以外は16歳から取得が可能ですよ。これらのうち、原付免許を除く二輪免許は、自動車教習所に行くか、運転免許試験場でいわゆる一発試験を受ける場合といった、2通りの取得方法があります。

まず、自動車教習所に行く場合。大型二輪、普通二輪、小型限定普通二輪のいずれを取得する場合も、以下のような流れになります。

【教習所に行く場合の流れ】
1. 技能教習や学科教習を受ける(教習所)
2. 卒業検定を受ける(教習所)
3. 適正検査を受ける(運転免許試験場)
4. 学科試験を受ける(運転免許試験場)
5. 合格すれば免許が交付される(運転免許試験場)

教習所に行く場合も、上記の3.以降は運転免許試験場に行く必要があります。なお、4.の学科試験は、4輪の普通免許を持っている人は免除されます。

一方、運転免許試験場で一発試験を受ける場合の流れは以下の通りです。

【運転免許試験場で受験する場合の流れ】
1. 適正検査を受ける
2. 学科試験を受ける
3. 技能試験を受ける
4. 合格後に取得時講習や応急救護講習を受ける
5. 免許が交付される

排気量の制限がない大型二輪免許をはじめ、普通二輪免許を試験場で取得するのは難易度が高い
排気量の制限がない大型二輪免許をはじめ、普通二輪免許を試験場で取得するのは難易度が高い

こちらは、すべて運転免許試験場で行われます。

教習所に行く場合は技能試験が免除される一方(指定教習所の場合)、運転免許試験場で受験する際は技能試験があり、特に、大型バイクにも乗れる大型二輪免許の場合、合格率は低いといわれています。

なお、4輪の普通免許を持っている人は、2.の学科試験を免除されることは、教習所に行く場合と同様です。

●免許なしで大型二輪免許を取得できるか?

このように、原付免許を除く二輪免許は、どの免許を取得する場合も、流れなどはほぼ同じです。では、なんの二輪免許もない人や4輪の普通免許しかない人が、いきなり排気量無制限の大型二輪免許を取ることはできるのでしょうか?

答えは一応「イエス」。教習所へ通った場合でも、運転免許試験場で一発試験を受ける場合でも、18歳以上で、視力などに問題がないなど受験資格を満たしていれば、法的には問題ないことになっています。

ただし、大型バイクは重たいですし、パワーもある分、運転するにはそれなりにスキルも必要となります。バイクに全く乗ったことがない人が、いきなり乗りこなすことは難しいといえます。

なので、運転免許試験場で一発試験を受ける場合は、前述の通り、技能試験などの合格率はかなり低いといえます。

また、教習所の場合も、いきなり大型二輪の教習を受けることを断られ、まずは普通二輪から取得することを進められるところも多いようです。まずは、比較的乗りやすい400ccまでの普通二輪免許などを取得し、それらに慣れてから大型二輪免許にチャレンジすることを推奨される、という話をよく耳にします。

●二輪免許を取るための費用は?

では、費用はどれくらい掛かるのでしょうか?

まず、自動車教習所の料金ですが、これは教習所によって違うため、一概には言えません。

AT限定免許を取るのか、MT免許を取るのかでも、教習所の料金は変わってくる
AT限定免許を取るのか、MT免許を取るのかでも、教習所の料金は変わってくる

また、スクーターなどのみ乗れるAT限定免許を取るのか、シフトチェンジがあるMT免許を取るのかでも変わってきます。さらに、普通二輪免許を取得したい人が、すでに4輪の普通免許や小型限定普通二輪免許を持っているのか、まったく免許がないのかなどでも料金は変わってきます。

より具体的に知りたい人は、自分が通いたい自動車教習所の料金を、事前に詳しく調べた方がいいでしょう。

では、教習所の卒業検定に合格し、運転免許試験場で適正検査や学科試験を受け、免許が交付されるまでの費用はどれくらいでしょうか?

また、運転免許試験場の一発試験を受ける場合の費用はどうでしょうか? これについては、以下のようになります。

【教習所の卒業者】
受験料(学科):1750円
免許証交付料:2050円
合計=3800円

【運転免許試験場の一発試験】
受験料(学科・技能):2600円
試験車使用料:1450円
免許証交付料:2050円
取得時講習受講料:大型二輪 1万6650円、普通二輪・小型限定普通二輪 1万6200円
合計=大型二輪2万2750円、普通二輪・小型限定普通二輪2万2300円

なお、運転免許試験場の一発試験では、学科や技能の試験に合格した後、取得時講習を受けることが義務付けられています。

これには、運転時における危険の予測などに関する講習や、応急救護処置講習などがあります。なお、指定自動車教習所の卒業生の場合、この講習の受講は免除されています。

●原付免許の取得方法や費用は?

ちなみに、50cccまでのバイクを運転できる原付免許は、運転免許試験場で、学科試験を受け、合格後に原付講習を受けることで免許を取得できます。

費用は以下の通りです。

【原付免許の費用】
受験料(学科):1500円
免許証交付料:2050円
原付講習の受講料:4500円
合計=8050円

50ccバイクは、原付免許だけでなく、ほかの二輪免許や4輪の普通免許でも運転可能
50ccバイクは、原付免許だけでなく、ほかの二輪免許や4輪の普通免許でも運転可能

ただし、50ccの原付バイクは、そのほかの二輪免許はもちろん、4輪の普通免許を持っていれば運転できます。

16歳以上の学生さんなどで、ほかの免許を取る予定がなく、通勤や通学などにどうしても必要な人などでない限りは、わざわざ取得するのは効率的ではないかもしれませんね。

いかがでしたか? これから二輪免許を取りたい人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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