■バッテリーのサイズアップとモーター出力の向上を宣言。EV航続距離が伸び、加速性能アップが期待できる
三菱自動車のミドル級SUVであるアウトランダーは、すでに新型モデルが北米市場で発売されていますが、大方の予想通り新型アウトランダーにプラグインハイブリッドが用意されることが公表されました。
三菱自動車では『プラグインハイブリッドEV(PHEV)』と呼ぶエンジンとモーター、大容量バッテリーを組み合わせた電動化モデルは、世界的にみてもプラグインハイブリッドSUVの元祖といえる存在で、累計販売台数も多く、豊富なノウハウを有しているのが魅力です。
アウトランダーだけでなく、エクリプスクロスにも展開されていますが、どちらも前後にモーターを搭載するAWD仕様で、モーターならではの、瞬時に発生する駆動力をハンドリングに活かすという方向性も三菱自動車らしいものです。
そして、新型アウトランダーに搭載されるPHEVシステムは、大きくバージョンアップされることがアナウンスされました。
具体的に、新世代PHEVシステムでは、モーター出力の向上とバッテリー容量の拡大が宣言されています。
ちなみに、現行アウトランダーPHEVのシステムではバッテリー総電力量は13.8kWh。モーター出力はフロント用が60kW、リヤ用が70kWとなっています。
たしかに、世界的な電動化ムーブメントの中で、ミドルサイズのSUVでは出力向上がトレンドですから、今回のフルモデルチェンジによってパワフルなPHEVシステムになるのは当然の流れといえます。
その中で、三菱自動車PHEVの特徴ともいえる、リヤのほうがパワフルなモーターを積むという設計思想は間違いなく引き継がれることでしょう。
さらに注目なのはパッケージングです。
新世代プラットフォームとコンパクトにまとめられた電動コンポーネントなどにより7名乗車の3列シート仕様になっているということです(現行モデルは2列シート仕様のみ)。3列シートの採用はライバルに対する商品力としてアドバンテージとなることでしょう。
プラグインハイブリッドとしての環境性能と、SUVとしての居住性と利便性を両立した新型アウトランダーPHEVの、日本における発売時期は今冬。はたして、メカニズムはどのように進化しているのか、その登場が楽しみになってきます。
(山本 晋也)