「80年代」に続いて、「90年代国産車のすべて」が発売されています。
こちらは「さらばスポーツカー」という、のっけから厳しいキャッチコピーからはじまりました。今振り返ると、ある意味彼らは、バブル時代の華麗で儚い申し子だったのかもしれません。
そこでバブル期を象徴する3L級スポーツカーから、見ていきたいと思います。
日本初グローバルスーパーカーのホンダNSXが目指したのは、フェラーリ・ポルシェと渡り合える高性能と日常の買い物やゴルフバックを積んでゴルフに行ける日常利便性との両立でした。
登場当時は、NAの3L・V6エンジンでは華奢だとか、リアのトランクが長すぎるとか、世界のスーパーカーと比較した議論もありました。でもアルミで出来る限り軽く仕立てたボディと、スーパーカーとしては小さめながら高回転型で切れの良いエンジンを積んだNSXは、切れ味の鋭さを特徴とした日本らしいスーパーカーだったとあらためて思います。
スカイライン34GT−Rは、2600cc直6・ツインターボの名機RB26DETTを搭載する最後のモデルで、スカイライン史上最強の性能を誇りました。
ただR32、33、34と3代に渡ってトータル性能を磨き上げすぎたかもしれません。ちょっと弄れば500馬力、フルチューンでは1000馬力以上を発揮したそうですから、まさに走るモンスターと化してしまいました。ただあまりに凄すぎてR35GT−Rの開発では、改造防止に関して行政から指導が入ったとか入らないとか・・・。
スカイラインGT−Rの「R」はレースのR、でもグループA等の出れるレースもなくなり、本来の存在意義を見失ってしまったのが残念でした。
是非このカテゴリーに入れたいのが、ロータリー・ターボを搭載したマツダRX−7です。今や、FDの方が通りがいいかもしれません。ご存知アニメ「頭文字D」プロジェクトDのヒルクライム・スペシャリスト、高橋啓介の愛車です。
登場当時からとにかくカッコ良かった!イタ車以上に幅広で官能的なデザインをまとい、赤や黄色の原色が抜群に似合っていました。しかも軽量小型なロータリーエンジンをフロントミッドに搭載した切れ味抜群のハンドリングマシンでした。
RX−8の生産終了で、ロータリーエンジンは一旦途切れてしまいますが、必ずやマツダは、日本オリジナルのロータリーを再起させてくれると信じています。
トヨタスープラも、当時トヨタが誇る3L直6・ツインターボを積んだGTスポーツカーでした。まさにこの時期のトヨタは「直6エンジン+FR」が全盛期だったのです!しかも80スープラは、トヨタのスポーツカー開発部隊トップガンが手掛けた最初のクルマであり、レクサスLFAを開発中に亡くなられた成瀬さんの代表作とのこと。
あらためて合掌m(__)m
三菱GTOは、3LのV6ターボを横置きにしたFFベースの4WDスポーツでした。クルマ雑誌のサーキット試乗企画では、怒濤の加速と直進安定性を文字って、「直線番長」なんてあだ名が付いていましたね。重量級の4WDだったGTOは、アメリカ志向の大陸的味付けが一番の特徴でした。
90年代に登場した3L級のスポーツカーは、バブル絶頂期に「他社に負けるな!遅れを取るな!アメリカでもガンガン売るぞ!」と企画開発されたのだと思います。残念ながら、バブリーな個性と性能を発揮した3L級スポーツカー達は、R35GT-Rを残して絶滅してしまいました。
このまま終わってしまうのかあ・・・と思いきや、近年レクサスがLFAを出してきたのを皮切りに、新年明けのデトロイトショーではレクサスから新型スポーツカーが、ホンダからは新世代NSXのプロトタイプが出展されました。、国産スポーツカーは、まさに復活の兆しを見せているところです!