高速道路でのガス欠や電欠は交通違反になる。反則金と違反点数は?

■ガス欠、電欠で違反に? 知っておくべき高速道路での交通ルール

高速道路での燃料切れによる出動件数は、パンクなどのタイヤの故障に次いで2番目に多い
高速道路での燃料切れによる出動件数は、パンクなどのタイヤの故障に次いで2番目に多い

高速道路で渋滞に巻き込まれると、トイレの問題も心配ですが、ドライバーにとってさらに恐ろしいのは、ガス欠やBEV(バッテリー式電気自動車)の電欠です。

JAFによると、2021年4月からの1年間における高速道路での燃料切れによる出動件数は、パンクなどのタイヤの故障に次いで2番目に多いことがわかっています。

同じく、電気自動車のロードサービス件数(2020年度)は、電池切れが3番目に多いというデータがあります。

燃料やバッテリー切れは、いずれもロードサービスの出動理由において、上位に位置しているのです。そして、ロードサービスの対応が完了し、走れるようになったからといって、それで終わりではありません。

高速道路を走行中にガス欠や電欠になると、道路交通法違反になる可能性があることをご存知でしょうか。高速道路でのガス欠や電欠がどのような違反にあたるのか、そして、どのように対処すればよいのかを事前に知ったうえで、快適なドライブを楽しみたいですよね。

●高速自動車国道等運転者遵守事項違反の反則金と違反点数

高速道路でガス欠した場合の反則金は、普通車9000円(大型車1万2000円、二輪車7000円、原付6000円)。
高速道路でガス欠した場合の反則金は、普通車9000円(大型車1万2000円、二輪車7000円)。

高速道路でのガス欠は、高速自動車国道等運転者遵守事項違反になります。

道路交通法 第75条の10には次のように書かれています。

「高速道路を運転するときは、燃料や冷却水、エンジンオイルの量や貨物の積載状態を点検し、運転不能にならないよう措置を講じなければならない」

法令に違反した場合、普通車の反則金は9000円です(大型車1万2000円、二輪車7000円)。違反点数はそれぞれ2点になります。事故につながるおそれがあるだけでなく、交通違反となるため十分な注意が必要です。

電欠に関しては、まだまだ法整備が進んでいないため、一概に違反になると断定することはできませんが、ガス欠同様に大きな事故に発展する可能性があることは明白です。

●ガス欠、電欠になりそうな場合の適切な対応方法

では、燃料やバッテリーの残量が少なくなった際は、どのような行動をとればよいのでしょうか。

まず、当たり前すぎる話ですが、最寄りのサービスエリアに入ってガソリンスタンドなどで給油、充電しなければなりません。

2016年時点では、ガソリンスタンド間の距離が100kmを超える箇所は全国に77ヵ所ありました。次の給油、充電ポイントまで走れないとわかったら、高速道路を降りて一般道路で探さなければなりません。

そして、やむをえず高速道路上でガス欠、電欠になった際は、できるだけ広い路肩のある場所にクルマを停車させます。停車する前にはハザードランプをつけ、後続車に停車の意思を伝えます。停車後は後続車に注意しながら、発炎筒を使って停車していることを知らせ、さらに三角停止表示板を設置します。

その後は、ガードレールの外側などの安全な場所に避難して、ロードサービスを呼びます。BEVの電欠時は、最寄りの充電ステーションまでレッカー車でけん引してくれます。くれぐれも安全を最優先にし、落ち着いて対処することが重要です。

●事前準備が大切! ガス欠・電欠を避ける方法

燃料やバッテリー残量が半分以下になったら給油する、など自分ルールを決めておくといいかも!
燃料やバッテリー残量が半分以下になったら給油する、など自分ルールを決めておくといいかも!

ガス欠や電欠になった際の対処法もさることながら、走行不能な状態にならないように未然に防ぐことが大事です。

高速道路に乗って長距離移動することがあらかじめ分かっているようであれば、出発前に燃料やバッテリーの残量を把握し、不足している場合は、給油や充電を行います。

走行中も残量を確認しながら、こまめに給油、充電することも重要です。クルマの燃費にもよりますが、燃料やバッテリー残量が半分以下になったら給油する、など、自分のルールを決めておくことも良いと思いますよ。

また、お盆や年末年始などで渋滞が予想される場合は、出発前に給油、充電スポットの目星をつけておくと良いでしょう。

それでも心配だという方は、緊急時に備えて、ガソリン携行缶を携帯しておくことも一案です。ただし、危険物の規制に関する規則の一部が改正されたため、2019年2月1日以降は、携行缶に入れる目的でガソリンを購入する際は、本人確認や使用目的の確認が求められるので注意が必要です。

電気自動車の場合は、持ち運べるポータブル充電器が販売されていますが、重たいなどのデメリットがあり、まだまだ実用的とはいえません。

そのため、やはり出発前の準備や定期点検する習慣を身につけることが最適といえそうです。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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