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■クルマの装備はもちろん、人間の装備もしっかりと!
●雪道ドライブで気を付けたい、大事なことを言うからな! by 清水和夫
街中のドライビングテクニックに関して、ラリードライバーほど長けている方はいない…と、私は個人的に思っているのですが、長年ラリー競技を走っている国際モータージャーナリスト・清水和夫さんも、そんな長けた方のおひとりです。
もちろん、冬ドライブには外せない雪道もアイスバーンも、何をどうしたら安全で万全なのかを、長年の経験から身に付けた、そんな清水さんからの、雪道ドライブをするにあたって大切なことを語っている動画を紹介です。
公開されたのは2015年ですが、いつの時代も大事なことは変わらず、ですよね。
●オレの経験からくる「雪道走破術」を伝授する! まずは装備を整えよ
「走破術」な~んていうと、人間のドライビングテクニックみたいな話に聞こえますけど、実はウインタードライブで一番大事なのは「装備」。
雪山に登るのも同じだし、アウトドアスポーツをやるときも装備が大事ですよね。
ですから、そこにお金をケチらずに、安全面にはお金をかけてしっかりした最善な装備でいくと。比較的簡単に雪道を走ることができると思います。
●その1. まずは、タイヤ選び!
No.1は、タイヤ選び。
このクルマはポルシェ996型のカレラ2です。四輪駆動じゃなくて、リヤエンジンのポルシェ。もうスポーツカーの代名詞みたいなクルマですけども、こういうクルマで雪道なんて、「そんなバカな!」みたいなことを考えている人もいると思うんですけどもね。
この911カレラはリヤエンジンなので、物凄くトラクションがあります。なので、このRRのポルシェは、スタッドレスタイヤを履いて、遠くまで冬ドライブに行きたい!って思わせるクルマなんです。
そこがポイントで、スポーツカーだからサーキット、オンロードだけじゃなくて、ポルシェに限って言えば、雪道も走りたいって思わせるものがある。
で、実際このカレラには「カレラ4」という四輪駆動がありますから、このカレラ2は決してスキーヤーズ・スペシャルではないんだけど、ポルシェが承認するウインタータイヤを履けば、なんの問題もなく楽しめる。
日本ってね、ちょっと事情が違うんです。山・坂があって、気温が0度近辺で水を含んでいる雪道、アイスバーンの多い国というのは日本くらい。ですから、そういったところで使えるタイヤというのは、世界にはあんまり例がない。
日本でスパイクタイヤを禁止したときに(1991年)、日本だけがそういう特殊事情の中でスタッドレスタイヤが開発されました。
●その2. 水分を含んだ凍結路面に注意!
アイスバーンは、今日のようなマイナス15度だとかなりグリップしますけど、0度近辺に近づいて暖かくなってくると水が生じます。
そう、滑る原因、実は水なんですね。
スタッドレスタイヤを履いていても注意しなければいけないのは、アイスバーン。ですが、その時の外気温が問題。0度からマイナス5度くらいでのアイスバーンが一番、滑ると思います。
冷凍庫に手を入れた時って、手がくっついちゃいますよね。だけど、オンザロックの氷は表面がつるつる。水が油のような潤滑油の役割になるので、水気を含んだ路面が一番滑りやすいんですよ。
●その3. 気象情報には常に敏感に
雪道を走る場合は、気象状況をよ~く見てくださいね。冬山の登山と同じで、吹雪が来るとか、低気圧が来るとか、そういう天気予報になったら、高速道路だって一般道だって通過できなくなり、通行止めになる場合だって多々あるわけです。
気象状況には敏感になっておく必要があります。君子危うきに近寄らず。
気象条件が悪い場所には行かない!というのが大事ですね。そういう情報を持ちながら、十分な装備で安全運転をしていってもらいたいと思います。
●その4. 四輪駆動でも過信せずに速度は控えめに
最近は四輪駆動が多いですから、ちょっと滑りやすい路面でも、スタッドレスタイヤならかなりスピードが出せるんです。4つのタイヤにより加速性能が高いですから。
しかし、止まる性能は二輪駆動も四輪駆動も、FFもFRもそんなに大きな違いはない。制動距離はやっぱり伸びてしまう。加速性能は速い、しかし、ブレーキ性能はそんなにない。ブレーキ性能は、タイヤと路面の摩擦係数“なり”の制動距離になってしまいます。その落差に誤魔化されてしまわないように!
昔、私がレオーネで全日本ラリーを始めた頃に、長野県辺りで四輪駆動がよく売れたんです。ただ、死亡率も多かった。
四駆だとスピードを出しちゃうので、二輪駆動の人たちがゆっくり走っているところを、ガーっと強引に抜いていく。そういうようなSUVとかオフロードカー、あるいは四駆があったわけです。
四輪駆動に乗っている人は楽にスピードが出せますから、その力は使わずに、一般の二輪駆動と同じような感覚でスピードは控えめに! 四輪駆動の能力は、いざというときのために取っておくことが大事です。
止まる性能、加速する性能、曲がる性能、この3つの性能があるとしたら、四輪駆動は加速性能“だけ”を上げた乗り物。そこを誤解しないように、ウインタードライブを楽しんでもらいたいと思います。
●その5. オシャレじゃなく、サングラスも大事な装備のひとつ
さて、クルマの装備が終わったら、今度はドライバーの装備。
冬はどうしても太陽の位置が低いので、凄く眩しくなったり、雪は乱反射も受けるので、まぁ今日はこんな派手なサングラスをしていますが、こういうUVカット、もしくは雪道の乱反射でも有効なサングラスを持つこと。
●その6. ダメな靴はペダル踏み間違いの要因になる!
そして靴。クルマから降りた時に、つるっと滑って転んで頭打って大怪我する方がいますから、雪道に相応しい靴。
今日はUGGの靴ですけど、靴底が意外と薄くて、アクセルコントロール、ブレーキコントロールのタッチが、通常の運動靴やレーシングシューズと同じような感覚でペダルを操作できるんです。
ただ、冬山用の長靴みたいなもの、靴の幅が大きいものだと、特に右ハンドル車でペダルがちょっと右に寄っているような場合は、アクセル踏んだ時にブレーキも一緒に踏んじゃう、またその逆のようなこともある。いつもとは違う靴を履くのですから、足元も十分ケアしてもらいたいです。
●その7. 厚着はシートベルトの効果が減る!
寒いので厚着したくなるんですけど、運転するときはコートを脱いで、こういう状態で運転して下さい。
厚着してシートベルトをすると、厚着の分だけシートベルトが緩くなってしまうんです。ぶつかったとき、どうしてもその緩くなった分、ドライバーがストロークしてしまいます。
しっかり拘束させるためには、ブワブワしたオーバーコートは脱いで、後ろの席に入れて運転してもらいたいと思います。
靴に関しては、吉田由美さんやまるも亜希子さんも提唱する「#置きシュー」をするのもいいアイデアだと思います。これは、女性ドライバーに向け、『運転用とそれ以外用の靴(ヒールとかミュールとか)を別にして、運転用の靴は車内に置いておき、運転するときに履き替えましょう』というもの。
そう、男性も雪用ゴツめブーツは運転中は止め、車内に常備する運転用の靴に履き替える、です。
清水さんが伝授してくれた「雪道走破術」7選、肝に銘じて安全ドライブを!
(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)
【関連リンク】
StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX
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