ボルボのバッテリーEV専用モデル「C40」の2023年モデルは、デビュー時よりも完成度がアップしていた!

■C40、XC40の2023年モデルの概要をチェック

世界的な電動化の流れが進む中、主要自動車メーカーの中でいち早く電動化を宣言したのがボルボです。

2025年には、販売台数の半数をバッテリーEV(BEV)にする目標を掲げています(日本は45%)。さらに2030年には、BEV専用メーカーになると宣言しています。

ボルボC40
ボルボC40の走行シーン

以前お伝えしたように、日本にはBEVのみとなるC40 Recharge(リチャージ)が、2021年11月にまず上陸し、発表と同時に多くのオーダーを集めたそう。C40は「CMA(Compact Modular Architecture)」と呼ぶプラットフォームを使っていて、日本でも取り回ししやすいボディサイズ、デザインにも定評のあるXC40のプラットフォームも「CMA」。

ボルボC40
「C40 Recharge Ultimate Twin Motor」のリヤビュー

トピックスとして、2022年夏にXC40がマイナーチェンジを受けるとともに、BEVのXC40 Rechargeが加わっています。その代わり、プラグインハイブリッド仕様が廃止されています。

まずは、C40、XC40の2023年モデルの変更点をご紹介します。

BEVのみのC40、そしてXC40のBEV仕様は、FWDのシングルモーター、AWDのツインモーターを設定。さらに、XC40には、48Vマイルドハイブリッド仕様も引き続き設定。ただし、XC40の48Vマイルドハイブリッドは、ミラーサイクルエンジンと7速DCTが新たに採用されています(2022年モデルの後期から導入済み)。

ボルボC40
C40のインテリア

また、グレード名が変わり、「Plus」「Plus Pro」「Ultimate」というグレード展開になっています。

XC40は、Google搭載インフォテイメントが全車に標準化されたほか、メーターパネルのデザインが新しくなっています。先述したXC40のフェイスリフトでは、フロントヘッドライト、フロントバンパー、アルミホイールデザインも刷新され、「Ultimate」と「Plus Pro」に、ピクセルLEDヘッドライトがオプション設定されています。

ボディカラーでは、新色の「セージグリーンメタリック」をはじめ、「フィヨルドブルーメタリック」「シルバードーンメタリック」「ブライトダスクメタリック」が用意されています。BEVのRechargeモデルは、全車「Dark」エクステリアに統一され、マイルドハイブリッド仕様は「Bright」もしくは「Base」のエクステリアになります。

●C40の「Ultimate」に、PM2.5センサーを備えた「エアピュリファイヤー」を搭載

また、C40の2023年モデルでは、シングルモーター仕様が加わり、ルーフピラーカラーがボディ同色化されたほか、PM2.5センサーを備えた「エアピュリファイヤー」が「Ultimate」に搭載されています。

ボルボC40
Google搭載のインフォテインメントシステム。音声操作が可能なほか、充電スポット検索も容易にできる

この「エアピュリファイヤー」は、「アドバンスト・エアフィルター」「アドバンスト・エアクリーナー」を備え、車内に侵入する有害なPM2.5微粒子を最大80%除去。車載アプリが搭載され、クラウドからの外気データなどが表示されます。

なお、今回試乗したのは、BEVで2モーターでAWDのC40「C40 Recharge Ultimate Twin Motor」、BEVで1モーターFWDの「XC40 Recharge SINGLE MOTOR」、48Vプラグインハイブリッドの「XC40 Ultimate B4 AWD」。

●強力なパンチ力を享受できるツインモーター仕様

ここでは、BEV専用モデルのC40の走りについてピックアップします。「C40 Recharge Ultimate Twin Motor」は、78kWhの駆動用バッテリーを積み、フロントモーター、リヤモーターともに150kW(204PS)を発生し、最大トルクも前後モーターともに330Nmとなっています。

ボルボC40
ボルボC40の走り

システム出力は404PS/660Nmに達します。0-100km/h加速は4.7秒とかなりの俊足で、航続距離はWLTCモードで484km。なお、1モーター(FWD)仕様は、同7.4秒、同502km。

BEVモデルはスタータースイッチがなく、キーを持って乗り込み、ブレーキペダルを踏むとシステムが始動します。あとは、「D」か「R」に入れて走り出すだけです。

また、システムをオフにする際は、「P」に入れて(パーキングブレーキも入ると)運転席のドアを開けるだけ。最初は戸惑うでしょうが、慣れてしまえばスタータースイッチをオン、オフする手間が省けて楽になりそう。

走り出すと、静かでスムーズなのはもちろん、2021年の導入時よりも若干、路面からの当たりがマイルドになっていて、フラットライド感が増しているように感じられました。

ボルボC40
5本スポークの20インチアルミホイール

とはいえ、19インチを履いていたXC40よりも低速域での乗り味は少し硬く、20インチタイヤ(235/45R20)は、乗り心地の面では少しオーバーサイズ感もあります。また、アクセルペダルを強く踏む込むと強力な加速フィールが得られるため、シーンを問わずストレスの少ない走りを享受できます。

XC40で試したシングルモーター仕様も街中などでは何ら不足はないものの、瞬発力や高速域のパンチ力は別モノ。ただし、車両重量は2150kgもあるため、地に足が付いたどっしりとした走りも特徴になっています。

●ワンペダルドライブでは完全停止まで可能

また、いわゆる「ワンペダルドライブ」の設定(有無)を選択できるのも特徴で、「オン」にするとかなり強めの回生ブレーキが得られるだけでなく、完全停止にまで至ります。

ボルボC40
C40のエクステリア

「ワンペダル」モードにするとクリープがなくなり、「オフ」のコースティングモード時にはクリープが発生。加減速の多い首都高速やワインディングなどでは「ワンペダル」にして、エンジンブレーキ感覚で減速でき、ブレーキ操作を減らせます。もちろん、街中でも慣れてしまえば、ペダルの踏み換え数が減り、より楽に感じられます。

ボルボC40
C40のフロントシート

電動車両で回生ブレーキが強くなると、クルマの挙動がノーズダイブといわれる前がつんのめるような挙動になり、ドライバーや乗員の頭が前後に振られるなど、クルマ酔いを誘う印象があります。

その点C40は、日本上陸時よりもスムーズな減速感が得られるようになったフィーリングで、かなり洗練されてきています。また、操舵フィールも比較的、軽快感があり、パワステの重さも「重く」と「通常」から選択できます。

筆者が手応えも含めて操舵しやすかったのは、「重く」でした。好みに応じて選択できるのもうれしいところです。

●見た目よりも実用性は高い

C40は、クーペクロスオーバーSUVといえるエクステリアが与えられていて、XC40よりもパーソナル感のある佇まいが特徴になっています。エクステリアからは後席の頭上まわりが狭そうに感じられますが、身長171cmの筆者でもこぶしが縦に1つ強ほどの余裕があります。

ボルボC40
C40のリヤシート

また、若干床面が高く感じられるものの、足元も広く、大人4人でも十分実用になるキャビンが確保されています。なお、ラゲッジスペースの荷室容量は413L〜1205Lで、日常使いに十分対応してくれます。

ボルボC40
C40のラゲッジスペース(後席片側前倒し時)

さらに、フロントフード内にも大きめのバッグが1つ収まりそうなカーゴスペースが用意されるなど、積載性の高さも魅力になっています。

先進的で洗練されたクロスオーバーSUVであっても実用性の高さも見逃せません。

●C40ボディサイズ
全長4440×全幅1875×全高1595mm

●C40価格
「C40 Recharge Plus Single Motor」:695万円
「C40 Recharge Ultimate Twin Motor」:759万円

(文:塚田 勝弘/ 写真:小林 和久)

この記事の著者

塚田勝弘

塚田勝弘 近影
1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。クルマ、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。