輸入車SUV販売台数No.1の「VW T-CROSS」は、優れたパッケージングによる使い勝手の良さが魅力【新車試乗】

■立体駐車場に対応していれば、さらなるヒットの可能性もあったので惜しい

SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)人気は、国産車だけに留まらず輸入車でも高くなっています。

今回は2021年年間登録台数輸入車SUVカテゴリーで2年連続第1位に輝いたVW T-Crossに試乗しましたので、インプレションを紹介します。

VW T-Crossの外観02
VW T-Crossスタイルの走行シーン

T-Crossは、VWのSUVシリーズで最もボディサイズが小さいモデルで、2021年の年間登録台数が9,159台となり、2年連続で輸入車SUVのNO.1となりました。ちなみに第2位もVW T-Rocとなっています。

2020年1月から販売開始したT-Crossは、全長4,115mm×全幅1,760mm×全高1,580mmという取り回しのしやすいサイズで、国産車ではトヨタヤリスクロスに近い大きさです。

VW T-Crossの外観04
VW T-Crossスタイルのフロントスタイル

コンパクトなボディサイズながら、大人5人が乗れる室内空間と5人乗車時の容量が455L、6:4の分割可倒式リアシートをすべて倒すと最大1,281Lまで拡大するラゲッジルームを確保していて、ユーティリティの高さが魅力です。

T-Crossに搭載されているパワートレインは、最高出力116ps・最大トルク200Nmを発生する1L直列3気筒ターボTSIエンジン。組み合わされるトランスミッションは2つのクラッチを採用し、切れ目のない滑らかな加速を実現する7速DSGを採用しています。

VW T-Crossの外観07
VW T-Crossスタイルのリアスタイル

駆動方式は2WD(FF)のみで、燃費性能はWLTCモードで16.9km/Lを実現しています。

使用燃料はハイオクガソリンですが、排気量が1Lということで税金面でのメリットが大きいのも人気の秘訣と言えます。

VW T-Crossの外観08
スタイルは205/55R17サイズを標準装備する

2021年9月にT-Crossは一部改良を実施します。

まず、グレード展開が変更され、エントリーグレードのTSIアクティブ、TSIスタイル、TSI Rラインの3グレード展開となりました。

外観ではスモーキーグレーメタリック、アスコットグレーの2色のボディカラーを追加し、全8色としています。

VW T-Crossの内装01
VW T-Crossスタイルのインストルメントパネル

インテリアでは、他のモデルに順次採用しているタッチコントロール式エアコンパネルを採用し、スタイリッシュなインテリア空間へと進化しています。

ナビゲーションシステムは、9.2インチの大型ディスプレイを採用したDiscover Proパッケージへアップデート。大きな画面により視認性と操作性が向上しています。

VW T-Crossの内装02
VW T-CrossスタイルのACCのスイッチ

人気オプションのテクノロジーパッケージに同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”を追加しました。

この機能は、0~210km/hの範囲でドライバーが設定した車速で前走車との追従走行と走行レーン維持をサポートするというもの。

また、ステアリングホイールには静電容量式センサーを採用することで、軽く手を添えるだけで“Travel Assist”の継続的な作動が可能となり、快適性が向上しています。

VW T-Crossの内装03
タッチコントロール式エアコンパネルを採用

今回試乗したのは、車両本体価格331万8000円のT-Cross スタイル。装着されるタイヤサイズは205/55R17が標準となっています。

全高が1,580mmと都市部に多く存在する立体駐車場に対応していませんが、最小回転半径は5.1mと非常に日本の道路事情にマッチしたモデルです。

VW T-Crossの外観09
最高出力116ps、最大トルク200Nmを発生する1L直列3気筒ターボエンジン

最高出力116ps・最大トルク200Nmを発生する1L直列3気筒ターボエンジンをT-Crossは搭載していますが、車両重量1,270kgのボディを非常に軽快かつスムーズに加速させます。

加速性能はもちろん、3気筒エンジンで気になる振動や騒音もかなり抑えられていました。

VW T-Crossの内装06
5人乗車時のラゲッジ容量は455L

軽快な走りと同時にT-Crossの特徴として挙げたいのが、広い室内空間とラゲッジルームです。

5人乗車時のラゲッジ容量は455Lを確保しており、同じボディサイズのヤリスクロスの390L(最大値)を大きく上回り、ひとクラス上のカローラクロスの487Lに迫る容量となっており、T-Crossの優れたパッケージングが際立っています。

VW T-Crossの内装07
リアシートを倒すと最大で1,281Lまで拡大する

輸入車らしく、前後左右の無駄な揺れが抑えられたフラットな乗り味が特徴で、エントリーモデルとは思えない質の高い乗り心地を前席だけでなく、後席でも実現しています。

運転支援システムは、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールをはじめ、プリクラッシュセーフティなどは標準装備となっていますが、レーンキープアシストや“Travel Assist”と呼ばれる同一車線内全車速運転支援システムはオプションで設定されています。

VW T-Crossの内装04
VW T-Crossスタイルのフロントシート

試乗車にはオプション装備も装着されており、高速道路などでその実力をいかんなく発揮してくれましたが、現在こういった運転支援システムは標準装備となっているケースが一般的なので、追加料金の必要なオプション装備というのはやや気になるポイントです。

一部改良で変更されたタッチコントロール式のエアコンパネルや9.2インチのディスプレイを採用したDiscover Proの使い勝手も抜群。オプションのDiscover Proもマストで装着したい装備です。

VW T-Crossの内装05
VW T-Crossスタイルのリアシート

VW T-Crossは税金面でメリットの大きな1Lターボエンジンを搭載。取り回しのしやすい優れたパッケージのボディサイズと魅力に溢れています。

ただ、今回試乗したスタイルにオプションの運転支援システムやナビゲーションシステムのDiscover Proを装着すると、同じサイズの国産SUVとの価格差が大きくなるのが懸念材料と言えます。

しかし、コンパクトサイズながら質感の高い乗り味を味わえるので、VW T-Crossは購入後の満足度は高いものになるでしょう。

(文・写真:萩原 文博

この記事の著者

萩原 文博

萩原 文博 近影
クルマ好きの家庭教師の影響で、中学生の時にクルマ好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、クルマの魅力だけでなく、クルマに関する情報を伝えられるように日々活動しています!