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■宮城県内は7月の3日間だけで179件の救護要請
東北や北陸を中心に東日本で記録的大雨が続き、冠水などの大きな被害が出ていることはご存じの通りです。
そんな中、JAF(日本自動車連盟)宮城支部では、先月7月の記録的大雨で、7月15日〜17日の3日間で出動した「車両冠水のけん引作業」の救援要請件数が179件、実施件数は96件にのぼったことを発表しました。
豪雨時にはアンダーパスなど、低い場所にある道路などには近づかないことなどを注意喚起しています。
●雨水が溜まりやすい場所に注意
JAF宮城支部によれば、宮城県内では2022年7月15日夜から16日の記録的大雨により、河川の氾濫や低い土地での浸水被害が相次いだことで、前述の通り7月15日〜17日のわずか3日間で、冠水したクルマをけん引する作業の救援要請件数が179件もあり、実際に96件を実施したといいます。
そして、現在も宮城だけに留まらず、東北や北陸など東日本では、いままで経験したことがない、まさに記録的大雨が降ったことで、各地で家屋やクルマなどが冠水するなどの大きな被害が続出しています。
そこで、同支部では、以下のような注意喚起をドライバーに呼びかけています。
「豪雨時のアンダーパス(立体交差点等の下の道路)などでは、スリバチ状の道路形状となっていることから、雨水が溜まりやすく深くなる傾向にあり、河川の近くでは、突然氾濫する危険性も高くなります。
特に夜間になると、視界も悪く『路面』と冠水している『水面』の区別がつきづらくなることから、冠水箇所とわからず進入してしまう場合もあります。
事前にハザードマップを確認しておくことや、豪雨時には、道路形状が低くなっている箇所の通過を避けることをお勧めします」
●水深60cmでセダンはエンジン停止
ちなみに、JAFでは、もしクルマが浸水してしまった場合、どの程度の水深で停まってしまうのかをテストしています(JAFユーザーテスト)。
これは、集中豪雨などでアンダーパスが冠水した場合を想定し、クルマが冠水路を走りきれるかどうかを実験したもの。
それによれば、セダンタイプのクルマでは、水深が60cmになるとフロントガラスの下端まで水をかぶってしまい、時速10km/hでも走りきれず途中でエンジンが停止。
SUVタイプでは、水深60cmでもエンジンの搭載位置が高いため、水がエンジン内に入らずに時速10km/hなら走破が可能でした。ところが、時速30km/hにスピードを上げると、クルマが巻き上げる水の量が多くなりエンジン内に水が浸入、10m走行したところでエンジンが停止したそうです。
以上は、あくまでテストですから、実際の冠水路では水深も水の中の様子も分からないので、より注意が必要です。前述の通り、できれば走行しない方が絶対にいいといえます。
●被災時に車を無償で貸し出す活動も実施
なお、JAFは現在、日本カーシェアリング協会の「被災時に車を無償で貸し出す活動」を支援するための資金を募るクラウドファンディングを実施しています。
この活動は、災害時に寄付車を一定期間無償で貸し出し、被災者の生活再建を後押ししようという目的で行われているもの。JAFは、クラウドファンディングで集まった支援金を日本カーシェアリング協会へ寄付し、クルマの維持や管理に関する各種活動の資金にしてもらっているそうです。
ちなみに、JAFと日本カーシェアリング協会は「災害でクルマを失ってしまった人への生活再建に寄与できないか」との共通の想いから、協力体制を築いたといいます。
なお、詳細については、JAF公式ホームページで確認できます。
(文:平塚 直樹)
【関連リンク】
JAFクラウドファンディング「災害時に寄付車を無償で貸し出す活動」
https://jaf.or.jp/common/news/2022/20220713-001
YouTube公式「JAF Channel」
冠水路走行テスト ~セダンタイプ~ 【JAFユーザーテスト】
冠水路走行テスト~SUVタイプ~【JAFユーザーテスト】