意外に多い?加入は6割。旧車で車両保険に入る方法は? 

■旧車の任意保険に関するユーザー調査

昨今は、スポーツカーを中心に国産旧車などが人気ですが、古いクルマの場合は、任意保険に入る場合、車両保険を付けられなかったり、補償額がかなり安くなってしまうケースもあります。

旧車の車両保険
旧車の任意保険に関するユーザー調査を紹介

ただでさえ、旧車は、交換部品がないなどで、維持するのに苦労する車種もある上に、まさかの事故などで修理が必要となったときに車両保険がなかったり、補償額が少なすぎたりすると目も当てられませんよね。

では、実際に、旧車に乗るオーナーは、加入する任意保険に車両保険を付けるなど、どんな保険の選び方などをしているのでしょうか?

旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車は、旧車に興味のある男女125名を対象に、旧車の任意保険に関する調査を実施。その結果、車両保険に入る人が全体の60%を占め、54.4%が5万円未満の保険料であることなどが分かりました。

●車両保険に入る旧車乗りは多い

今回の調査は、2022年5月17日〜2022年5月25日の期間、インターネットによりアンケート形式で行われたものです。なお、ここでは、2010年以前のクルマを旧車と定義付けています。

調査では、まず、「所有する旧車に車両保険を付けているか」を質問。その結果、

・「はい」 60.0%
・「いいえ」 40.0%

旧車の車両保険
所有する旧車に車両保険を付けているか(出展:カレント自動車)

と加入している人が多いことが分かりました。ちなみに、調査を行ったカレント自動車では、

「(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」によれば)2021年3月末時点の全国の車両保険加入率は46.2%となっているので、旧車乗りの方は全国平均より多く車両保険に加入している」

とコメントしています。

●旧車でも高額の保険料を払っていると限らない

調査では、次に、年間で支払っている自動車保険料について質問。結果は以下の通りです。

1位:「5万円未満」 54.4%
2位:「5万〜10万円」 33.6%
3位:「10万〜20万円」 8.0%
4位:「30万円以上」 2.4%
5位:「20万〜30万円」 1.6%

旧車の車両保険
旧車乗りが年間支払っている自動車保険料(出展:カレント自動車)

「5万円未満」が最多で、次いで「5万〜10万円」が2位に。3位以下を合計すると、10万円以上を支払っている人は全体の12%で、旧車オーナー全てが高額の保険料を払っているとは限らないことが分かります。

●旧車の保険に入る場合に重視することは?

また、調査では、「自動車保険に加入する際に最も重視する点」について質問。結果は次の通りです。

1位:「補償内容やサービス面」 34.4%
2位:「保険料の安さ」 30.4%
3位:「車両保険が付けられるか」 21.6%
4位:「その他」 4.8%
5位:「加入手続きの手軽さ」 3.2%
6位:「保険会社の知名度・ネームバリュー」 3.2%
7位:「商品内容の分かりやすさ」 2.4%

旧車の車両保険
旧車乗りが自動車保険で重視すること(出展:カレント自動車)

「補償内容やサービス面」が最多ですね。やはり旧車には、貴重なモデルもありますから、補償やサービスの充実を望む人が多いようです。

また、意外にも「保険料の安さ」が2位ですが、3位には「車両保険が付けられるか」が入っていることで、やはり旧車オーナーには、車両保険に入れるかどうかで任意保険を選ぶ人も一定数いることが分かります。

●旧車に車両保険を付ける方法

以上のように、旧車乗りには、車両保険を重視する人が多い傾向のようですが、前述の通り、加入できない場合もあります。また、長年乗っている古いモデルでは、補償額が年々下がり、もし修理が必要になっても十分な額にならないケースもあるようです。

まず、旧車を購入し新規で任意保険に入る場合。任意保険には通販型と代理店型がありますが、通販型は保険料が割安なイメージこそあれど、あまり年式が古いクルマは入れないケースも多いようです。

旧車の車両保険
日産・R34型スカイラインGT-R

一方、大手損保の代理店の場合、加入できるところも多いようですが、例えば、20年とか30年前に生産されたモデルでは、やはり補償額が格安となるケースも多いと聞きます。

ただし、例えば、中古車価格が最近1000万円を超える車体もあるという日産のR32型やR34型「スカイラインGT-R」など、高額で購入した旧車では、代理店や損保会社と交渉することで、時価額(購入額)に相当する補償額を付けることは可能のようです。

しかし、これも、すべての代理店などで受け入れてくれるわけではないようなので、ちゃんと相談に乗ってくれる代理店を探す必要があります。

また、30年近くなど、長年乗り続けている旧車の場合。購入した新車時は補償額が高くても、年々引き下げられ、気が付くと数十万円の補償額しか付かない場合もあります。

旧車の車両保険
日産・R32型スカイラインGT-R

そうした場合、もし愛車の中古車相場がかなり上がっているのであれば、代理店に交渉して補償額を見直してもらったという人もいるようですが、かなりケース・バイ・ケースのようです。

最近は、例えば、製造から25年以上経った車両などを対象としたクラシックカー保険もありますから、どうしても補償額を上げたい場合は、そうした保険に切り替えるのも手かもしれません。

いずれにしろ、貴重な旧車を長く乗り続けるためには、車両保険なども重要なファクターであることは間違いありませんね。

(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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