住友ゴム工業がタイヤの空気圧や温度をリモート監視する「空気圧・温度管理サービス」にスローパンクチャー検知機能を追加し、実証実験をスタート

■スローパンクチャーを早期に発見できる

このほど、住友ゴム工業は、タイヤの空気圧や温度をリモート監視する「空気圧・温度管理サービス」の実証実験をスタートさせました。

この実証実験は、リースやレンタカーなどの自動車関連サービスを展開するオリックス自動車のレンタカー事業において、スローパンク検知機能を新たに備えたタイヤの空気圧や温度をリモート監視するものです。

スローパンク(スローパンクチャー)とは、小さい穴や亀裂、リムとタイヤビード間からのエア漏れ、エアバルブからのエアの漏れなどにより徐々に空気が抜けていく状態のことです。JAFのロードサービス出動理由でもタイヤに関するトラブルは常に上位になっていて、クルマに乗る人は常に気に掛けておきたいアイテムといえます。

住友ゴム工業
タイヤの空気圧や温度をリモート監視する「空気圧・温度管理サービス」にスローパンクチャー検知機能を追加した

住友ゴム工業は、車両リース事業、レンタカー事業をはじめとした数十社との同サービスの実証実験を通して、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)から取得された空気圧と温度情報をクラウドに蓄積。その推移をモニタリングする中で、スローパンク検知のアルゴリズム構築に成功したそうです。

今回の実証実験は、DUNLOP(ダンロップ)ブランドの乗用車用オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX AS1(オールシーズンマックス エーエスワン)」が装着されたオリックス自動車の東京新宿西口店のレンタカー約40台に対して、「空気圧・温度管理サービス」を提供し、その効果を検証するというものです。

実証実験の対象となる「DUNLOP「ALL SEASON MAXX AS1」は、新開発の「超マルチコンパウンド」を採用。ドライとウエットから雪道まで、様々な路面で確かなグリップ力を発揮します。

「幅広センターリブ」の採用によってドライ路面を正確に捉え、夏タイヤと同等の操縦安定性を実現。「Vシェイプ主溝」が水膜をタイヤ側面に効率良く排水し、水膜の侵入を防ぐことで、優れたウエットブレーキ性能も発揮するそう。

さらに、トレッドパターンの工夫により同社の夏タイヤに近い静粛性(パターンノイズ)を実現し、夏タイヤ以上のロングライフも達成しています。タイヤの空気圧や温度をリモート監視する「空気圧・温度管理サービス」は、駐車場に設置されたアンテナ圏内のTPMS装着車両のタイヤ空気圧や温度情報を一括してタブレット端末などで確認、管理できるものです。

ダンロップ ALL SEASON MAXX AS1
DUNLOPの乗用車用オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX AS1」

今回、新たに備えられたスローパンク検知機能は、同社が開発したスローパンク検知のアルゴリズムに基づき、空気圧、温度の変化をTPMSが監視。異常発生時に、管理者にアラートを通知する仕組みになっています。

目視点検や運転中の違和感では発見することが非常に難しいスローパンクを早期に見つけることで、タイヤトラブルを未然に防ぎ、安全な走行に寄与します。

同社は、今回の実証実験を通して、レンタカー事業の安全運行をサポートするサービスとして、タイヤトラブルの未然防止や点検作業の効率化、工数削減、燃費改善などの具体的な効果を検証します。こうした安全性の確保により、さらなる価値の提供、サービスの向上に取り組む構えです。

空気圧監視システム(TPMS)は、高級車を中心に、純正装備や市販品などでも普及していますが、リースやレンタカーなどでもより広がることで、比較的多いタイヤ関連のトラブルを未然に防ぐことが期待されます。

塚田勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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