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■井出有治、GT-R GT3で4年ぶりにSUPER GTへ完全復帰!
●BUSOUのレース初挑戦はもちろん、道上龍監督にとってもGT-Rは新たな挑戦!
元F1パイロットで、クリッカーではハイパワー系試乗テストドライバーをお願いしている井出有治さんが、NISSAN GT-R NISMO GT3でSUPER GT2022(以下、スーパーGT)GT300クラスに完全復帰、バンザイ!
参戦概要は以前もお知らせしましたが、コチラ。
【チーム概要】
チーム名:BUSOU Drago CORSE
マシン名:BUSOU raffinee GT-R
タイヤ:ダンロップ
チーム総監督:金子 哲也
チーム監督:道上 龍
ドライバー:柳田 真孝・井出 有治
チーフエンジニア:伊与木 仁
マシンメンテナンス:4MINUTES
HONDAの申し子・道上龍さんが監督で、2020年にチーム国光「RAYBRIG NSX-GT」をGT500チャンピオンに導いた伊与木仁さんがチーフエンジニアに加わるという、「全業界が驚いた!」このチーム体制。
そ・し・て! 4月16日(土)~17日(日)、岡山県・岡山国際サーキットで行われる『2022 AUTOBACS SUPER GT Round1 たかのこのホテルOKAYAMA GT 300km RACE』、スーパーGT開幕戦へ向け、井出有治さんが乗るBUSOU Drago CORSEのBUSOU raffinee GT-Rがついにシェイクダウンテストを行いました!
その場所は、テスト(3月2日)の前日に「ツインリンクもてぎ」から名称変更となった「モビリティリゾートもてぎ」。その模様、じ~っくり見て、聞いてきましたよ!
●最新版NISSAN GT-R NISMO GT3は初、道上龍監督とも初! 早く走らせたい!!
井出さん、シェイクダウンテストのその前に、組み上げられたばかりのGT-Rをチェックです。
井出:厚木にあるチームのファクトリー・4MINUTESで、道上龍監督とのミーティングがありました。で、そのとき初めて、今年の愛車となるGT-Rのシートに座ってみました!
シートに収まってすぐに思ったことは、シンプルに『早く走らせたい!』笑
やすの:井出さん、2013年にGT-RでGT300へスポット参戦していますよね!
井出:1戦だけね。それまで1年半ほどレース活動を休止していたんだけど、たまたまお話を頂いたチーム(OGT!Bonds Racing)が“気持ち良く”走らせてくれるところだったので! 結果は、チームメイトが走った予選は25位、決勝はボクが頑張って5位でした。
やすの:その時のGT-Rと今回乗るマシンでは年式が違う…っていうの? 新しいですよね。
井出:そうそう。2018-SPECがベースで、2020エボリューションへアップデートされています。この仕様が今、一番新しいNISSAN GT-R NISMO GT3です。
2013年に乗った初期のモデルとの一番大きな違いは、エンジンの搭載位置。エンジンがドライサンプ化されたことで約150mm下に下がって、内側(室内側)に約150mm下げてあります。これによって低重心化と重量配分の改善がされ、さらに強烈なパフォーマンスを発揮しています。どんな走りをするのか、凄い楽しみ♪
やすの:道上監督…どう言ってます? GT-Rのこと…。
井出:道上さん、自分でも走らせてみたいらしいですよw! ほとんどホンダ車でしかレースしていないしね。
今回、道上さんとのコラボでドライバーと監督という立場でレースをすることになったのは、いまだに不思議な感じはするけれど、本当に面白いチーム体勢ですよね! 楽しみにしていてね!!
●BUSOU raffinee GT-Rが走った!
もてぎのピット内で久しぶりに目にしたGT-R GT3は、なかなかにけたたましいアイドルサウンドを轟かせ、Drago CORSEロゴのウエアを着るメカニックさんたちが走行直前チェックを行っています。GT-Rはまだカラーリングが施されておらず、ブラックのカーボン素地剥き出しのその姿が、より一層凄みを漂わせていました。
やすの:今日のテストのポイントは?
井出:海外耐久を1回だけ走ったマシンを全部バラし、オーバーホールして組み上がったばかりのコレを、今日は全部が問題なく動くか、まずはそのチェックが最優先ですね。
1回目は柳田真孝選手が走行、なかなかエンジンがかからなかったりしたけど、それくらいは想定内。今のところ、深刻な問題はまったくないですね。
この後ボク、乗ってきますね!
●ファーストインプレッションは「いい感じ♪」
やすの:走りましたね!
井出:各部のトラブルチェックは問題ないかな。エンジンのかかりの悪さもクリアになったし。
今回、タイヤが間に合わなくて、かなりコンパウンド的には余裕っていうか、固いというか、ロングライフ方向のものが2セットだけだったので、本格的にテストとして進めるのは岡山国際サーキットの合同テスト(3月12日-13日)から、かな?
やすの:ダンロップタイヤとGT-Rの相性はどんな感じなんですか?
井出:同じGT-RのGAINERは、2021年もダンロップ履いて調子よかったので(シリーズ7位)、悪くはない感じっぽい? 岡山テストで、その時、初めてこのクルマのキャラがつかめるかな?
やすの:今日のタイヤではそこまでのテストではない、と。
井出:タイヤをちゃんと…というのはおかしいけど、岡山の合同テストではダンロップさんがそれなりのタイヤを用意してくれると思うので、そこからクルマのバランスなどは評価していったほうがいいね。
今回はあくまでもチェック走行、という意味合いが強いので。
やすの:ブレーキは念入りにテストしていましたね。
井出:エンドレスさんが数種類のブレーキパッドを用意してくれていたので、メニューとして最低限のチェック、テストはできたと思います。
とにかく、「クルマはタイヤが命!」だから。ソコをしっかり見ていかないと、あまりガチャガチャ(各部の調整)できないよね。
●あとはパズルを組み合わせるのみ by 井出有治
やすの:ところで、最新GT-R GT3は、やっぱりスゴイんですか?
井出:昨年のスーパー耐久で乗ったマクラーレン720S GT3から、いきなりGT-R GT3に乗ったので…。
やすの:あ! 言いたいコトが何となく…分かっちゃったみたい! 重心のこと?
井出:そうそうw! マクラーレンに初めて乗ったときのインプレッションで言った通り、この世のGT3の中で一番重心の低いのがマクラーレンで、トップクラスに重心が高い腰高マシンが、GT-R。まぁ、腰高No.1はベントレー・コンチネンタルGT3だけど(井出さんが2017-2018年にGT300で乗っていたマシン)。
GT-Rは2018-SPECになったことで重心が下がったとはいっても、まだまだNo.2くらいに重心が高いほうのマシン。そのへんは分かっていたので、頭の中でちゃんと確認しながらテストに入っていったから違和感はなかったけどね。
もちろん、2013年に乗ったGT-Rと比べれば全体的に重心が低くなって重量配分も良くなっていますよ。2013年のはフロントが重~い感じがあったけど、今回乗るマシンにはそういうのがないからね。
GT-Rは素性としてはいいクルマだと思うので、あとはタイヤとかいろんなもの…マシンを作り上げるっていうのはパズルなので、そこをうまく揃えられるようにしていきたいなと思います。
やすの:あと2回の公式テスト後、いよいよ4月16日(土)~17日(日)の開幕戦です。トップ、イケそうですか!?
井出:まぁ、いきなり開幕からパーン!といけるほどGT300は甘くはないからね。
かといって、道上さんがいて、伊与木さんがいて、スーパーフォーミュラでもスーパーGTでもしっかり仕事のできるメカニックさんたちが揃っている我がチームなので、呑気なことも言っていられない。慌てずしっかり、ひとつひとつ進めていければなと思います。
「第2戦の富士はGT-Rにとっても相性は悪くないと思うけど、開幕戦の岡山はブレーキサーキットなので、JAFマシンのほうが有利かな…」と、最後、声低に語ってくれた井出有治さん。さて、どんな活躍が見られるのか!?
もちろん、クリッカーでは全戦追っかけていきますよ!
(文:永光 やすの/画像:松永 和浩、折原 弘之、永光 やすの)
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【関連リンク】
井出有治オフィシャルwebサイト
https://www.yuji-ide.com/
株式会社クレアーレ BUSOU-JAPAN DESIGN-
https://creare-busou.co.jp/