BUSOU raffinee GT-Rにあの道上龍監督!?GT300に初参戦のBUSOUが選んだパートナーはDrago CORSE!【SUPER GT 2022】

■34号車がNISSAN GT-R NISMO GT3? 監督がミスターNSXの道上 龍さん?

●BUSOU+Drago CORSEに、ベテラン柳田真孝+井出有治でGT300に新風を!

60~70年代のレースでの活躍から、「Zの柳田」の名が示す通り、「フェアレディZの神話的存在」と言える柳田春人さん率いるセントラル20と組んで、新型フェアレディZのエアロ開発やモータースポーツ参戦をすると東京オートサロン2022会場で発表を行った、日産系エアロパーツブランドの新興勢力ブランド「BUSOU(ブソウ)」。

しかし、セントラル20は長らくモータースポーツへの参戦はしておらず、特にSUPER GT(以下、S-GT)では新規チームによる参戦が難しいことから、どこかのチームをパートナーにすることで参戦枠を得るという可能性が濃厚だ、と思われていました。

BUSOU raffinee GT-R
BUSOU raffinee GT-R

そして2月14日、BUSOUによる正式なS-GT GT300参戦発表は、これまでの常識を覆すような驚愕の内容となりました。

車番は「34号車」!

車両は「NISSAN GT-R NISMO GT3」(2018 SPEC→2020 EVOアップデート)

チーム名は「BUSOU Drago CORSE(ブソウ ドラゴ コルセ)」!

ドライバーは「柳田真孝」選手と「井出有治(クリッカーではすっかりお馴染みの!)」選手

そして監督は、なんと「道上 龍」さん!

もう一つの驚きは、チーフエンジニアがチーム国光などで活躍、2020年にGT500チャンピオン獲得のRAYBRIG NSX-GTを担当していた「伊与木 仁」さん!

この驚きの布陣で、今年のS-GT GT300クラスを戦うというのです。

●シェイクダウンはもてぎで決行!

そんなBUSOU Drago CORSEが3月2日(水)にシェイクダウンテストを行うということで、独占取材を行うためにモビリティリゾートもてぎへ!

BUSOU raffinee GT-Rのピット作業
BUSOU raffinee GT-Rのピット作業

マシンはヨーロッパから運ばれてきた「NISSAN GT-R NISMO GT3」。

バンパーからもわかる通り、耐久仕様としてヨーロッパにデリバリーされたもので、この個体自体はニュルブルクリンク24時間レースにも参戦経験があるというもの。

それを国内に持ち込んでからS-GT仕様に変更した上で、3月2日のもてぎで初めての走行となったのです。

バンパー自体は当面はこの耐久仕様のまま。フォグランプを外して、そのマウント部はカーボンの蓋をするということでS-GTの仕様として認可されるとのこと。

「クラッシュでもしない限りはこのバンパーのまま行きますよ!」と道上監督は語ります。

●ホンダの申し子・道上龍が、日産GT-Rを走らせるというビックリ!

道上龍監督
道上龍監督

ところで道上監督は今回、GT-Rを扱うということに対して、

「ボクがGT-Rのチームの監督になったということで驚いた方が圧倒的に多いだろうな、とは思っています。

別にホンダと袂を分かったというわけではないですよ。スーパーフォーミュラはホンダですし」

と、テスト走行の前にお話を始めていただきました。

BUSOU raffinee GT-R
BUSOU raffinee GT-R

「ボクはHONDAのイメージが強く、去年まではドライバーとしてもNSXを走らせていました。が、チーム運営ということではそういった縛りがなく、メーカーの垣根を越えて様々な活動をするということは非常に重要なことだと考え、このお話をいただいて挑戦してみようと思いました」(道上)。

「ここ(もてぎでのシェイクダウン)に来るまでにGT-Rに触れてみて、NSXとは何もかもが違う思想で作られていることで、慎重にテストを重ねてセットを出していく必要があるな、と感じています。

やはりフロントエンジンということで、フロントタイヤにかかる負荷や空力的なセットなどの考え方は全く違いますね。それに、エアロひとつとってみても形状やうねり方が複雑で、そういった意味でも違いを感じています」(道上)。

タイヤをチェックする道上監督
タイヤをチェックする道上監督

今回のテストは、素の状態でしっかり走るかどうかということを重点に行っているとのことです。

そのため、3月初旬の寒い時期にも関わらず、一番固いコンパウンドのタイヤでロングランをしていこうというメニューで走るとのこと。

「ダンロップタイヤというのも初めてなので、まずは固いタイヤで摩耗のことを考えずに、マシンの不具合を洗い出すことを優先しました」と道上監督は語ります。

「ただ、どんなタイヤでもそうなんですが、寒いとピックアップを拾いやすいので、マメにその除去はしていきます」とのこと。

右から柳田選手、道上監督、伊与木エンジニア
右から柳田選手、道上監督、伊与木エンジニア

ドライバーはセントラル20の柳田春人さんのご子息で…という紹介よりも、2010年のS-GT GT300クラス、2011年と2012年のGT500クラスという前人未踏3年連続のチャンピオンを獲得している柳田真孝選手と、2001年に柳田選手とコンビを組んでS-GT GT300にシルビア(ハセミ・モータースポーツ)で参戦、その後2006年にはF1へも挑戦、また2003年から2010年までGT500クラスでも活躍した、クリッカーではお馴染みの井出有治選手というラインナップ。

井出有治選手
井出有治選手
柳田真孝選手
柳田真孝選手

ベテランドライバー2人に対して道上監督は

「レースがどういうものかということを分かっている2人ですから、走るという面では安心して任せられます。ボクは彼らが走るための環境づくりに専念していきます」

と語ってくれました。

●シェイクダウンの手ごたえは?

ひと通りメニューをこなし、この日の走行を終えた段階で道上監督は、「最初のほうでエンジンのかかりが悪かった以外は全くノートラブルで走行できて、この後の公式の岡山テストや富士テストではセッティングを出していく作業に取り掛かれます」と語ります。

柳田真孝選手と伊与木 仁エンジニア
柳田真孝選手と伊与木 仁エンジニア

ずばり、今季の目標は?

「レースをするのですから勝っていくことは当たり前の目標ですが、現実的な話をすると、常にポイントを取っていくというのが今季の目標です。ドライバーズポイントもそうですが、チームポイントの取りこぼしもあってはいけません。

柳田真孝選手と井出有治選手
柳田真孝選手と井出有治選手

GT300はシード権が3種類あって、Aシードに残るということがかなり重要です。今期は海外戦がありませんが、海外戦がある場合はAシードだと輸送費などがすべてGTA負担、Bシードだとチーム負担になるので、この差はかなり大きいんですよ」(道上)。

BUSOU raffinee GT-R
BUSOU raffinee GT-R

「初めてのGT-R、初めてのダンロップタイヤではありますが、手応えは感じています。しかし、さすがにGT300は28台のエントリーですからそう簡単には勝たせてくれないでしょうね。

だからこそ、取りこぼしのないレースを心がけて、一瞬のチャンスも見逃さず上に突き抜けたいと思っています」(道上)。

BUSOU raffinee GT-R
BUSOU raffinee GT-R

この後3月12日~13日に岡山国際サーキットで、また3月26日~27日に富士スピードウェイでSUPER GT公式テストを経て、4月16日~17日に岡山国際サーキットで開幕戦が開催されます。

果たしてBUSOU raffine GT-Rはどんな走りを見せるのか? 大きな注目が集まります。

(写真・文:松永 和浩

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この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。