■モータースポーツの世界にも尽力された、石原慎太郎さん
東京都知事や国会議員を歴任した作家の石原慎太郎さんが、2022年2月1日に逝去されました。
石原さんは、一橋大学在学中にデビュー作の『太陽の季節』(1956年)で芥川賞を受賞。同作品の映画化にあたっては、実弟である故石原裕次郎さんを起用し、国民的大スターにしたことでも知られています。
そんな当時の若者文化の代表者でもあり、多才で各方面にその力を発揮した石原さんですが、自動車業界にも深い関わりがありました。クルマやレースに関心が高く、東京オートサロンの前身となる、第1回〜第6回東京レーシングカーショー(1968〜1973年)開催にあたり、主催となった「オートスポーツを楽しむ会」で会長を務めていました。
公式パンフレットには会長挨拶文を寄稿しています。その中で、当時のモータースポーツの隆盛を喜び、その質の向上をファンの立場から協力したいと述べています。
東京レーシングカーショーは第6回まで開催され、その後これを継承した形で東京エキサイティングカーショー(1983年〜)が開催されます。さらに東京エキサイティングカーショーは東京オートサロン(1987年〜)へと発展していき、30万人を超える人々が集まる世界最大級のカスタムカーショーへと成長します。
2022年1月には、40周年を迎えた東京オートサロン2022(1月14日〜16日)が開催され、コロナ禍の防疫措置ながら12万人以上という多くの参加者を集めました。石原さんが期待したモータースポーツの大きな発展と、それが育んだ“クルマを楽しむという文化”もまた、しっかりと現在に受けつがれていると感じました。
これを見届けたかのように世を辞した石原さんに哀悼の意を表すとともに、これからも自動車業界を見守っていただきたいと祈ります。
(菅谷 紀之)
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