日本初! JAFがバイクもレッカー車で運べる専用アタッチメントを開発

■バイクのトラブル時対応がより迅速に

ロードサービスを手掛けるJAFでは、レッカー車でバイクをけん引できる装置「2輪アタッチメント」を国内で初めて開発し、1月5日(水)より順次全国で運用を開始しました。

JAFがバイクもレッカー車で運べる専用アタッチメント開発
バイクをレッカー車でけん引できる専用アタッチメントをJAFが開発

この装置は、通常、4輪車のみけん引可能なレッカー装置に装着することで、今までけん引ができなかったバイクを安全に運ぶことができるようになるもの。

これにより、転倒や故障などのトラブルで動けなくなったバイクの運搬可能な車両が増え、より迅速な対応が可能になるといいます。

●レッカー車でもバイクの移動が可能

通常、トラブルで動けなくなった4輪車では、移動にレッカー車がよく使われますが、実は通常のレッカー装置は倒れやすいバイクをけん引することは構造的に不可能なのです。

そのためJAFでは、バイクの救援要請を受けた際、積載車などで現場に行っていました。ところが、JAFの主力サービスカーはレッカー車であることもあり、バイクを運ぶことができる積載車・多目的車の合計はわずか209台。

台数に限りがあるため、今まではバイクのトラブル時に対応できるサービスカーの手配が難しい場合、現場への到着にかなり時間がかかっていました。

JAFがバイクもレッカー車で運べる専用アタッチメント開発
バイクの全輪を固定するアタッチメントのスタンド

実際に筆者も、以前バイクで単独転倒した際にエンジンが再始動しなくなり、JAFに救援要請をした経験があります。その際もバイクを運べる車両が出払っており、「到着までに6時間以上かかる」といわれてしまいました。

転倒したのは東京都内・多摩地区の市街地だったので、さほど到着に時間がかかる場所ではなかったにも関わらずです。

その時は、行きつけのバイク屋さんにお願いして積載車を出動してもらったことで、なんとか救出してもらえましたが、JAFのバイク救援はタイミングによってでしょうが、4輪車とは比べものにならいほど時間が掛かることを実感しました。

●原付から大型バイクまで対応可能

そういった課題を解決するために、今回JAFが開発したのが前述の2輪アタッチメントです。

JAFがバイクもレッカー車で運べる専用アタッチメント開発
バイクの後輪は専用のバケットに積載

構造的安全性が担保された日本初の装置(実用新案登録済)で、JAFのサービスカーのみが装備できるオリジナルのシステムになります。

これによりバイクの移動が可能な車両は前述の積載車・多目的車に加え、2輪アタッチメントを装着できるレッカー車が追加されることで合計523台に増加されました。

なお、アタッチメントに積み込み可能なバイクの範囲は以下の通りです。

・排気量:原付(50cc)〜大型バイク(1300cc程度)
・バイクのホイールベース:1145mm〜1700mm
・積み込めるバイクの例:
ホンダ・ディオ(50cc)=ホイールベース1145mm
スズキ・スカイウェイブ(250cc)=ホイールベース1600mm
ホンダ・CB1300SF(1300cc)=ホイールベース1520mm
*データはJAF調べ

ライダーにとっては、ツーリングや出先でトラブルに遭遇した場合、今まで以上に安心できそうですね。なお、このアタッチメントを装着したレッカー車を使ったバイクの運び方は、JAFの公式YouTubeチャンネルでみることができます。

(文:平塚直樹

【関連リンク】

JAF Channel(JAF公式YouTubeチャンネル)
「日本初!バイクけん引用のアタッチメントを開発」

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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