トライアンフが「タイガー1200」シリーズの2024年モデル発表。3気筒エンジンがよりスムーズな特性に進化

■各部の改良で長距離ツーリングでの快適性アップ

英国製バイクのトライアンフを扱うトライアンフモーターサイクルズジャパンは、大型アドベンチャーツアラー「タイガー1200」シリーズの2024年モデルを発表しました。

タイガー1200GTプロとタイガー1200GTエクスプローラーに追加されたカーニバル・レッド
タイガー1200GTプロとタイガー1200GTエクスプローラーに追加されたカーニバル・レッド

オンロードからオフロードまで、さまざまな道を快適に走れることで、ロングツーリング派やキャンプ好きライダーなどに大きな支持を受けているのがタイガー1200・シリーズ。

その新型では、独自のTプレーン・クランクを採用した1160cc・3気筒エンジンをアップデート。低回転域からよりスムーズにトルクが発生する特性とするなどで、扱いやすさを向上させたほか、シート形状などの改善などで、より長距離ツーリングでの快適性をアップさせていることがポイントです。


●オンロード系とオフロード系の全4タイプを設定

タイガー1200シリーズは、舗装路での快適な走りと未舗装路での高い走破性を両立し、ロングツーリングからオフロードでの冒険走行まで、幅広く対応するアドベンチャーモデルと呼ばれるジャンルのバイクです。

ラインアップには、オンロード指向とオフロード指向といった2つのライン、全4タイプを設定しています。

タイガー1200ラリープロとタイガー1200ラリーエクスプローラーの新色マットサンドストーム
タイガー1200ラリープロとタイガー1200ラリーエクスプローラーの新色マットサンドストーム

フロント19インチ、リヤ18インチのアルミ製キャストホイールを装備したオンロード系には、20Lの燃料タンクを装備する「タイガー1200GTプロ」と、30L燃料タンク仕様の「タイガー1200GTエクスプローラー」を用意。

また、フロント21インチ、リヤ18インチのチューブレス・スポークホイールを装備したオフロード系には、20Lの燃料タンクを持つ「タイガー1200ラリープロ」、30L燃料タンクを備える「タイガー1200ラリーエクスプローラー」も設定されています。

いずれのタイプにも、パワートレインは、独自のTプレーン・クランクを採用した1160cc・3気筒エンジンを搭載。最高出力150PSを発揮するエンジンは、低速域では2気筒エンジンのような太いトルク特性を生み出し、オフロードなどで優れた走破性能を発揮。一方、高速域では、3気筒エンジンならではの伸びやかなパワー特性も合わせ持つことで、高速道路などでの長距離クルーズで余裕の走りを実現します。

多様な情報を表示できる7インチフルカラーTFTメーター
多様な情報を表示できる7インチフルカラーTFTメーター

車体には、ボルトオンのアルミニウム製リヤサブフレームと、ボルトオンのリヤハンガーを採用することで、軽量化も実現。新開発のトライリンク式スイングアームや、小型軽量化されたシャフトドライブとベベルボックスなども装備することで、軽快なハンドリング特性などに貢献します。

さらに、最新の電子制御システムも搭載。モデルにより異なる最大6タイプのライディングモードや、コーナリング時に安定した走りを提供するトラクションコントロールなどを採用します。

加えて、GTエクスプローラーとラリーエクスプローラーには、コンチネンタル社と共同開発した「トライアンフ・ブラインドスポットレーダーシステム」も搭載。死角に他の車両が入ってきたことをライダーに知らせる「ブラインドスポットアシスト」などで、高い安全性も誇っています。

●低回転域でのトルク伝達がよりスムーズに

そんなタイガー1200シリーズの2024年モデルでは、まず、エンジンをアップデート。エンジン慣性を高めるためにクランクシャフト、オルタネーターローター、バランサーを変更し、さらにエンジンのキャリブレーションも変更。よりスムーズで正確な低回転域でのトルク伝達を実現しています。

1160cc・3気筒エンジンをアップデート
1160cc・3気筒エンジンをアップデート

これにより、加速時や減速時、低速走行時に、よりスムーズなトルク特性を発揮。エンジンバランスの見直しなどと相まって、長距離走行での快適性などがアップしています。

シートはよりフラットな形状に変更。着座するスペースがさらに広がったことで、長距離走行時の疲労を軽減します。また、付属のシートはシート高を2段階に調整することも可能です(20mm)。

加えて、2023年8月に発表された「アクティブ プリロード リダクション」機能も注目。これは、2021年のマイナーチェンジ時に追加されたショーワ製アクティブサスペンションを進化させたもの。

シートはよりフラットな形状に再設計
シートはよりフラットな形状に再設計

注目は、減速して停止する際にリヤサスペンションのプリロードを自動で下げる機能を持つこと。リヤサスが柔らかめの設定となることで沈み込む量が増え、足着き性を向上させます。しかも、操作はスイッチキューブの「ホーム」ボタンを1秒間押すだけ。シート高を最大20mm下げることが可能なほか、オフ機能も備えることで、好みや状況に応じた使い分けができるようになっています。

ほかにも、オンロード系のタイガー1200GTプロとタイガー1200GTエクスプローラーでは、フットペグも変更。位置を引き上げることで、コーナリング時のバンク角をより深くとることを可能としています。

車体色は、タイガー1200GTプロとタイガー1200GTエクスプローラーに、従来の「スノードニア・ホワイト」に加え、人目を引く「カーニバル・レッド」と「サファイア・ブラック」を追加。

タイガー1200ラリープロとタイガー1200ラリーエクスプローラーでは、人気の「マットカーキ」に加え、スタイリッシュな「マットサンドストーム」と「ジェットブラック」が新たに加わっています。

マットサンドストーム(写真はタイガー1200ラリープロ)
マットサンドストーム(写真はタイガー1200ラリープロ)

価格(税込)は、まず、オンロード系が
タイガー1200GTプロ:243万5000円〜246万5000円
タイガー1200GTエクスプローラー:263万5000円〜268万円

一方、オフロード系の価格(税込)は、
タイガー1200ラリープロ:259万5000円〜264万円
タイガー1200ラリーエクスプローラー:278万5000円〜283万円

となっています。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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