特殊相対性理論発表/トラジスタ初公開/マツダ・デミオにSKYACTIV-G搭載!【今日は何の日?6月30日】

■アインシュタインが特殊相対性理論を発表

アインシュタイン (C)Creative Commons
アインシュタイン (C)Creative Commons

今日6月30日は、「アイシュタイン記念日」です。1905(明治38)年のこの日、誰もが知っているドイツの天才物理学者アルベルト・アインシュタインが「特殊相対性理論」を発表しました。このとき、彼は26歳でスイス特許局の技師でした。そして、11年後の1916年に特殊相対性理論を発展させ強化した「一般相対性理論」が発表され、内容は分からなくても言葉だけは誰でも知っているアイシュタインの相対性理論が完成を迎えたのです。

トランジスタと電子回路
トランジスタと電子回路

また1948(昭和23)年のこの日、米国のウィリアム・ショックレー博士とジョン・バーディーン博士、ウォルター・ブラッテン博士の3名が発明した「トランジスタ」が世界初公開されました。トランジスタは、電気信号を増幅したり、スイッチングできる画期的な電子部品で、それまでの真空管に取って代わり急速に普及し、工業会の発展に絶大な貢献をしました。かつては、真空管の代わりにトランジスタを使ったことを強調した「トランジスタラジオ」「トランジスタテレビ」なるものがありましたね。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●マツダ・3代目デミオにSKYACTIV-G搭載!

2011年(平成23)年6月30日、2007年にデビューしたコンパクトカー「マツダデミオ」に、SKYACTIV技術シリーズの第1弾である先進ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」が搭載されました。

2007年発売の3代目デミオ
2007年発売の3代目デミオ
2007年発売の3代目デミオ(Rear View)
2007年発売の3代目デミオ(Rear View)

初代デミオは1996年にデビューしました。実用性と居住性を両立したボクシーなフォルムのコンパクトカーとして大ヒット、当時経営危機に陥っていたマツダの救世主となりました。2002年に2代目、2007年には3代目デミオが誕生。3代目は、欧州市場を意識してスタイリッシュなハッチバックタイプへと変貌しました。

SKYACTIV-Gエンジン
SKYACTIV-Gエンジン

そして2011年に行われた3代目のマイナーチェンジは、マツダが独自に開発した「SKYACTIV-G」を搭載して大きな注目を集めました。SKYACTIV技術は、当時注目されていたハイブリッドなどの電動化技術に対抗して、エンジン車で世界一のクルマを目指す技術です。その第1弾が、高効率のガソリンエンジンの「SKYACTIV-G」。当時のガソリンエンジンの圧縮比は12程度が限界でしたが、「SKYACTIV-G」は直噴化、燃焼室形状や排気系の最適化などで圧縮比14という驚異的な高圧縮比を実現、低燃費と高出力を達成しました。

1996年発売の初代デミオ
1996年発売の初代デミオ

SKYACTIV技術は、「SKYACTIV-G」を筆頭に、その後ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D」、トランスミッションの「SKYACTIV-DRIVE/MT」、「SKYACTIV-BODY」、「SKYACTIV-CHASSI」などその技術はすべての分野へ展開されました。2019年には、次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」が大きな話題となりました。

脱炭素が世界中で叫ばれ、早急な電動化技術への移行が求められる中、エンジン技術を中心とするSKYACTIV技術への注目がやや薄らいでいるように思えます。しかし、基本技術をすべてゼロから見直して刷新するというこの10年間のマツダの姿勢は、マツダブランドを十分高めたのではないでしょうか。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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