ホンダの「CR-Z」デビュー。ハイブリッドのライトウェイトスポーツは216万円&237.9万円【今日は何の日?2月26日】

■燃費と走りの両立を目指したライトウェイトスポーツ

2010年にデビューしたハイブリッドスポーツ「CR-Z」
2010年にデビューしたハイブリッドスポーツ「CR-Z」

2010(平成22)年2月26日、ホンダのハイブリッドスポーツ「CR-Z」の発売が始まりました。「インサイト」に搭載された”IMA”マイルドハイブリッドを搭載して、優れた燃費と俊敏な走りの両立を目指した新しいタイプのライトウェイトスポーツです。

●27年前にはライトウェイトスポーツCR-Xが誕生

ホンダには、CR-Zの23年前にFFライトウェイトスポーツ「CR-X」が誕生していました。CR-Xは、1983年にデビューした「バラードスポーツCR-X」の2代目で1987年にCR-Xという単独ネームとなったモデルです。

1987年にデビューしたCR-X
1987年にデビューしたCR-X

その特徴は、コンパクトサイズの軽量ボディ、そして爽快な走りでした。スタイリングも個性的で、ティアドロップシェイプと呼ばれる流麗ラインは、Cd値0.3を実現。またルーフには、アウタースライドサンルーフの他に、グラストップと名付けられたスモークガラスの屋根が装備され、スポーティさを印象付けました。

エンジンは、PGM-FI(電子制御燃料噴射)を装着した105PSの1.5L直4 DOHCと130PSの1.6L直4 DOHC。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンの4輪独立で、トーコントロールシステムやガス封入式ダンパーなどの採用で、CR-Xはライトウェイトスポーツという新たなジャンルを開拓し、多くの若者を夢中にさせたのです。

●25km/Lの優れた燃費で走りも楽しめるハイブリッドスポーツ

CR-Zが登場した時には、名前も似ていたことから、CR-Xの後継ではないかと言われました。ともに同じFFライトウェイトスポーツでしたが、CR-Xは走りを追求した純粋なスポーツモデルでしたが、CR-Zはハイブリッドを搭載して燃費と走りの両立を目指したスポーツモデルでした。

「CR-Z」のハッチバックのリアビュー
「CR-Z」のハッチバックのリアビュー

ハイブリッドシステムは、インサイトに採用されたIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)で、組み合わせるエンジンは1.5L直4 i-VTECエンジン、トランスミッションは6速MTとCVTを設定。特徴は、3つの運転モード“ノーマル/スポーツ/エコ”を設定し、ハイブリッドを燃費のために使うのか、走りのために使うのかを選択できることでした。

車両価格は、βグレードが216万円/αグレードが237.9万円と比較的安価な設定。燃費も25km/L(CVT)/22.5km/L(6側MT)と優れていたので、発売1ヶ月で1万台の受注を達成する人気を獲得。一方で、その後はハイブリッドによる重量増しによるパワー不足の声も聞かれるようになり、徐々に人気は減速してしまいました。

●ホンダのハイブリッドの歴史はIMAに始まりe:HEVへ

ホンダのハイブリッドは、1999年にデビューした初代インサイトに搭載された「IMA」のマイルドハイブリッドに始まり、その後「シビック」や「フィット」「CR-Z」などに展開されました。

IMA(ホンダ・インテグレーテッド・モーターアシスト)」ハイブリッド
IMA(ホンダ・インテグレーテッド・モーターアシスト)」ハイブリッド

マイルドハイブリッドでは燃費向上に限界があることから、2013年に登場した2代目フィットではDCTと組み合わせた本格ハイブリッド”i-DCD”を搭載、「ヴィゼル」や「ジェイド」、2代目「フリード」などに採用。一方で、2013年の「アコード」には、駆動用モーターと発電用モーターを備えた2モーター・ハイブリッド”i-MMD”を搭載。5代目「オデッセイ」「クラリティPHEV」「CR-V」などに採用されました。

さらに2015年に登場した5代目「レジェンド」には、高出力モデル用として”SPORT HYBRIDSH-AWD”が搭載され、2代目「NSX」にも採用されました。

以上のようにホンダのハイブリッドはいくつかのバージョンを経て、現在はi-MMDを進化させた”e:HEV”に集約してモデル展開を進めています。


現在、燃費が良いだけのハイブリッドでは市場では評価されず、燃費と走りを両立させた、あるいは走りに振ったハイブリッドが増えています。CR-Zは、1代限りで2016年に生産を終えましたが、燃費と走りの両立を目指したハイブリッドスポーツカーの可能性を示したという、現在のハイブリッドの先駆的なモデルだったと言えます。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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