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■歴代レガシィ・ツーリングワゴンを清水和夫が一気乗り!
●業界技術『縁の下の力持ち』!? いぶし銀的に光るレガシィ・ツーリングワゴンの世界
1989年に登場した初代から2009年に発売した最終型の5代目まで、5回に分けお送りしてきた『歴代レガシィ・ツーリングワゴンを清水和夫が一気乗り!』。
レオーネの時代からスバルのスペシャリストとして知られる国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが、今あらためてレガシィ・ツーリングワゴンの歴史やインプレッション、また、レガシィによってもたらされた日本初、世界初の技術を紹介してきました。
今回は、その5回・5世代を再度振り返り、歴代レガシィ・ツーリングワゴンのすべてをまとめてみます。
●レガシィ・ツーリングワゴン歴代一気5台試乗!!は、是が比にもやりたかった企画だった!by清水和夫
私が主催するYouTubeチャンネル『スタートユアエンジン(StartYourEnginesX/SYE_X)』でどうしてもやりたかった企画が、実はこの初代レガシィツーリングワゴン一気乗り企画。
丁度、昭和から平成に変わった、まさに時代が大きく変わるときに誕生した初代レガシィ・ツーリングワゴン。私はこの前のレオーネの時代にスバルと契約し、全日本ラリー選手権やFJ1600レースに出ていました。
昭和から平成…この時代の変わり目に初代レガシィが世に出て、まさに平成の時代を突っ走って来たのがレガシィですね。
今回、これらレガシィ5世代すべてを用意し一気に乗ったのですが、その時代の背景にどんな社会の変化や人々のクルマに対するニーズ、あるいはスバルの想い…、スバルにとっては変えてはいけないところと、時代に合わせて、あるいはユーザーのライフスタイル、ニーズに合わせて変えなければいけないところ…、それが見事に今回、この5世代のレガシィを一気乗りすることで明らかになりました。
●世代ごとに個性が光り、時代と共に技術が磨かれていった歴代レガシィ・ツーリングワゴン
★歴代レガシィを清水和夫が特別試乗!「初代は平成元年生まれ。このコは運命を持って生まれたんだね」BF5編【SYE_X】
初代レガシィ(BF5)、非常に印象的ですね。このクルマはワゴンではないのですがセダンでWRCに出て1回だけ勝ったのですが(1993年・ニュージーランド・ラリー)、「100mmホイールベースを短くしないとこれからの世界で勝てないよ!」ということをドライバーのコリン・マクレーに言われたことから、インプレッサが誕生しました。
★清水和夫、2代目レガシィツーリングワゴンに乗る。「敵機(覆面)確認の視界性能も抜群!」BG5編【SYE_X】
2代目(BG5)、ちょうど当時、280psの馬力規制をしていた時代でもありました。なので、スバルも何とか280psに追いつきたい!ということでシーケンシャルツインターボで250psへ、そしてついに20世紀の終わりから21世紀の初まりの頃にGT-Bモデルのマニュアルで280psに到達!
ここまでは全部5ナンバーで“走りのツーリングワゴン”。エンジンのパフォーマンスも高く、ドライバーズカーとしても自他ともに認められるツーリングワゴンになったわけです。
★スバルマイスター清水和夫の3代目レガシィツーリングワゴン考「280ps自主規制の中、マルチリンクになって走りもユーティリティも格段にアップ!」BH5編【SYE_X】
しかし、21世紀の扉が開き、3代目(BH5)から4代目(BP5)に移るとき、今度はアメリカでのビジネスや、世界各国グローバルにスバルが広がっていきましたから、いつまでも5ナンバーサイズではいけない…ということで、初めて3ナンバーボディが登場しました。
また、マルチリンクになって、ワゴンとしてのスペースユーティリティも上がりました。このへんは“変えなければいけないところ”だったと思うんですね。
★サイズアップ+等長等爆へと変化しても、不易と流行が息づいているのが4代目レガシィ・ツーリングワゴンby清水和夫 BP5編【SYE_X】
個人的には…ですけどね、どっちがいいのか?はいまだに良く分からないんですけど、エンジンが等長等爆になり、すっご~くスムーズなエンジンになりました。ですから、普段乗りとしては上質な乗り味でウェルカム!なんですが、3代目までが持っていた“ヤンチャなスバル”というイメージが、ここで大人になっちゃったんですね。
それがユーザーによっては好ましいと思うか寂しいと思うか…。まぁこのへんからはインプレッサとの棲み分けもありましたから、レガシィはより大人っぽくお兄さんになっていこう!ということで、3ナンバーボディでラゲッジスペースも広がったのが4代目。2003-2004日本カーオブザイヤーを獲ったクルマですね。
★5代目で最後のレガシィツーリングワゴンは、自動運転を見据えたアイサイト2が業界を引っ張る!by清水和夫 BR9編【SYE_X】
ついに5代目(BR9)、これがレガシィとしてのファイナルモデル。このクルマで印象的なのはアイサイト2。それまでADAというミリ波レーダーの高いシステム技術を持っていたのですが、ミリ波を止めてカメラだけに特化することで、予防安全技術のひとつの金字塔を打ち立てました。
この時、アイサイト2は10万円という価格をつけていました。前のADAからみたら価格は半分以下になったのですが、他のメーカーからは「安全にお金を払う人はそんないないだろ…」と思われていました。が、レガシィのアイサイト2が大ヒットすることによって、実は他の日本自動車メーカーに物凄い大きな勇気を与え、「良いものを作ればお客様は安全技術にお金を払ってくれるんだ!」ということを、このアイサイト2が証明したのです。
レガシィ・ツーリングワゴンはずっと走りの良さできて、ルーミーで上質になり、ここでついに衝突安全技術! スバルは今までずーっとツーリングワゴンのベストピックをとり続けていましたが、ついにこのアイサイト2で予防安全でも非常に高いレベルの安全性機能を実現したということで、世界的に話題になり、アメリカでも大ヒットになったのですね。
(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)
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https://clicccar.com/2021/02/05/1057899/
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https://clicccar.com/2020/10/06/1023193/
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https://clicccar.com/2020/09/30/1022495/
【関連リンク】
StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX