バイクの誕生と種類の概説:進化とともに多種多様なバイクが誕生【バイク用語辞典:バイクの誕生と種類編】

■始まりは自転車にエンジンを搭載したモペットタイプ、その後現在の本格バイクに進化

●さまざまな種類のバイクがあるが、基本的にはエンジンの排気量で区分け

バイクは、ガソリンエンジンが発明されてすぐに自転車にエンジンを搭載する形で始まりました。その後、現在の本格的なバイクになり用途や目的に応じて様々な種類のバイクが誕生しました。

バイクの誕生と基本構造、および区分や種類などについて、概説していきます。

●初めてバイクを作ったのは?

1886年にカール・ベンツと同時期にガソリン自動車を発明したゴットリープ・ダイムラーは、実は自動車よりも先にバイクを作って特許を取っていました。

ダイムラーが1885年に作ったバイクは、「リートワーゲン」と呼ばれた木製で、ライダーの腰の下にガソリンエンジンを搭載していました。

世界初の市販バイクは、1894年のドイツ「ヒルデブラント&ヴォルフミュラー(H&W)」でした。排気量1489ccの並列2気筒エンジン、出力は0.5PSで最高速度は45km/h、生産台数は3000台を超えたと言われています。

●日本で初めてバイクを市販化したのは?

日本初の市販バイクは、1933年宮田製作所の「アサヒ号A型」です。エンジンは、英国製バイクのエンジンをコピーしたもので、2ストローク排気量172ccでした。当時としては、高性能で耐久性に優れていため高い評価を得ました。

戦中戦後にかけて、自転車にエンジンを搭載したタイプのバイクを中心に、100を超えるバイクメーカーが存在したと言われています。その中で現在最大手のメーカーであるホンダとスズキ、ヤマハもバイク製造に参入しました。

●バイクの基本構造

基本構造
基本構造

バイクの構造は時代とともに変化し、また種類や用途によってそれぞれ異なります。

最新バイクでは最先端の技術を採用している例もありますが、基本的な構造は概ねフレーム、エンジン、トランスミッション、ブレーキ、サスペンション、ホイール/タイヤから成ります。

バイクの構造は、動力を発生しタイヤに伝達するパワートレイン部と、運転操作するためのステアリング、衝撃を吸収するサスペンション、速度を落したり止まったりするブレーキなどの車体部に大別されます。

●排気量による車両区分

車両区分と免許資格
車両区分と免許資格

車両区分は、「道路交通法」による区分と「道路運送車両法」による区分があります。

・道路交通法による車両区分

排気量50cc以下は「原動機付自転車(原付)」、50cc超~400ccが「普通自動二輪車(普通二輪)」、400cc超が「大型自動二輪車(大型二輪)」と区分されています。

・道路運送車両法による区分

二輪車のうち排気量125cc以下を原付と定めています。このうち、排気量50cc以下を「第一種原動機付自転車」、50cc超から125cc以下の二輪車を「第二種原動機付自転車」と規定しています。

また、125ccを超え250cc以下の二輪車は「二輪の軽自動車(軽二輪)」、250ccを超えるものは「二輪の小型自動車(小型二輪)」として、自動車に含まれます。

●バイクの種類

バイクの種類
バイクの種類

バイクは、舗装道路の走行を想定したオンロードタイプと未舗装のダート道の走行を想定したオフロードタイプに大別できます。また、その他にもビジネスバイクやコミューター(通勤通学)として使うスクーターなど、様々なバイクがあります。

ロードタイプは、舗装路で高い性能を発揮するようにエンジンやサスペンション、ホイール/タイヤなどを設計しています。

ロードタイプには、スポーツ走行やレースでの使用を前提としたスーパースポーツ、市街地での走行性能を重視した正統派のネイキッド、長距離ツーリングを目的としたツアラー、ハーレーダビッドソンに代表されるアメリカンなどがあります。

オフロードタイプは、未舗装路のダートで高い性能を発揮するためようにエンジンやサスペンション、ホイール/タイヤなどを設計しています。

オフロードタイプには、本格的なオフロードのトレールバイク、大きな段差や岩を走破することを想定したトライアルバイクなどがあります。


自転車にエンジンを搭載したモペッドタイプに始まり、現在のオンロードとオフロードタイプ、身近なスクーターなど用途に応じて様々なタイプのバイクが存在します。

本章では、基本知識であるバイクの誕生や成り立ち、構造、区分や種類などについて、詳細に解説します。

(Mr.ソラン)

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この記事の著者

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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