オンロードバイクとは?舗装路で性能を発揮するように設計されたバイク【バイク用語辞典:バイクの誕生と種類編】

■目的や用途、求められる機能などによっていくつかの種類のロードバイクが存在

●スーパースポーツ、ネイキッド、ツアラー、アメリカン、モタードなど

バイクは、舗装道路の走行を想定したオンロードタイプと、未舗装のダート道の走行を想定したオフロードタイプに大別できます。オンロードタイプとオフロードタイプの中にも、用途や目的に応じて数多くの種類があります。

オンロードバイクの代表的な6種について、解説していきます。

●ロードタイプバイクの種類と特徴

ロードタイプ
ロードタイプ

ロードタイプは、舗装路で高い性能を発揮するようにエンジンやサスペンション、ホイール/タイヤなどを設計しています。ロードタイプには、スポーツ走行やレースでの使用を前提としたスーパースポーツ、市街地での走行性能を重視した正統派のネイキッド、長距離ツーリングを目的としたツアラー、ハーレーダビッドソンに代表されるアメリカンなどがあります。

以下に6種類のロードバイクについて、解説します。

●スーパースポーツ

レーシングバイクのようなスタイリングが特徴で、レーサーレプリカと呼ばれることがあります。

サーキットでのスポーツ走行のために、高出力エンジンや高剛性のフレーム、空気抵抗低減のための車体全体を覆うフルカウルを装備しています。また機能面では、大きな制動力を発揮するブレーキ、ワイドホイールとハイグリップタイヤ、低いハンドルなどが特徴です。

一方、低速時の操作性や耐久性、燃費、また乗り心地などはある程度犠牲にしています。前傾姿勢で大型のモデルが多いため初心者には不向きで、また荷物をほとんど積載できず日常の使用には適していません。

●ネイキッド

日本ではスタンダードなバイクで、歴史のあるクラシックなスタイルが特徴です。

高いハンドル位置や柔らかいシート、前よりのステップなど市街地での操縦性と乗り心地を重視しています。スーパースポーツと対照的で、オシャレなカウルなどは付いていません。

また、エンジンの出力特性やサスペンションは低中速域重視で設定されているので、軽快で扱いやすく、教習車のバイクの多くはネイキッドです。

●ツアラー

長距離のツーリングを楽しむためのバイクです。

長時間の運転のため、比較的大排気量のエンジンと空気抵抗低減のためにフルカウル、さらに大型のトランクを装備しています。

車体自体が重く、安定性に優れているため長時間の運転でも疲れませんが、初心者には扱いにくい一面もあります。街乗りよりも長距離移動に向いています。

●アメリカン(クルーザー)

低い車高に長いホイールべースの独特なスタリングで、代表格はハーレー・ダビッドソンです。

米国生まれで広大な直線路を長時間ゆったりと走行できるように、シートを低くしてハンドル位置を余裕も持って設定しています。

バンク角(カーブを曲がるときの車体の地面に対する倒れ角)が浅いので、カーブが曲がりづらい、またカウルがないので風の影響を受けやすいのが難点です。

●モタード

オフロード車にオンロードタイヤを履かせてたのが、モタードです。

オフロード車なので車体が軽くスリムで、操縦性が容易で扱いやすい特長があります。ただし、風の影響を受けやすいので高速走行には不向きです。

●ストリートファイター

ネイキッドとスーパースポーツの要素を合わせたのが、ストリートファイターです。

スーパースポーツのカウルを取り外した、あるいはネイキッドをシャープなデザインにしたようなイメージです。


近年のバイクは、ユーザーの嗜好の多様化に応える形でより細分化されています。オンロードバイクも目的や用途が限定されることによって、スポーツ走行や市街地走行、長距離走行など要求される性能に特化したバイクが登場しています。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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