オフロードバイクとは?未舗装路で性能を発揮するように設計されたバイク【バイク用語辞典:バイクの誕生と種類編】

■移動やツーリングを楽しむというより、走破力を強化して自然に挑戦するバイク

●トレイルバイク、トレッキングバイク、トライアルバイク、ダートトラッカーなど

バイクは、舗装道路の走行を想定したオンロードタイプと未舗装のダート道の走行を想定したオフロードタイプに大別できます。オンロードタイプとオフロードタイプの中にも、用途や目的に応じて数多くの種類があります。

オフロードバイクの代表的な4種について、解説していきます。

●オフロードバイクの種類と特徴

オフロード
オフロード

オフロードタイプは、未舗装路のダートで高い性能を発揮するようにエンジンやサスペンション、ホイール/タイヤなどを設計しています。

具体的には、以下のような機能を装備しています。

・出力よりも軽量コンパクトを優先したエンジン

・最低地上高を確保した、高強度で軽量な車体

・路面からの衝撃を吸収する、ストローク量を増やしたダンピング効果の大きいサスペンション

・走破性を向上させるため、フロントタイヤの外径を大きく、ダート路面でのグリップ力を高くしたブロックパターンのタイヤ

オフロードタイプには、本格的なオフロードのトレイルバイク、野山を散策するトレッキングバイク、大きな段差や岩を走破することを想定したトライアルバイク、モタードとは反対にロード用バイクにオンロード用のタイヤを装着したダートトラッカーなどがあります。

以下に4種類のオフロードバイクについて解説します。

●トレイルバイク

車体は軽く丈夫な設計がされ、かつ車高が高いので未舗装の山道などの走行に適しています。

ダート走行のための操作性や耐久性を配慮した一般的な仕様と、モトクロスレース用の、モトクロッサーを前提にしたオフロード走行に特化したレーサーレプリカ仕様があります。操作性に優れ、タイヤを交換すればオンロードでも走れますが、車高が高く、カウルがないので風の影響を受けやすく、高速走行には向きません。加速性を重視しており、最高速度はそれほど高くありません。

●トレッキングバイク

ダートの中でも比較的整備された林道などを、低中速で走行することを前提にしています。

悪路を走破するというより、野山を散策することが主要な用途です。そのため、エンジン出力を抑え気味にしてトレールより全体的にマイルドな乗り心地とし、走破性よりも扱いやすさを重視しています。

●トライアルバイク

切り立った岩場や崖を登ったり、丸太などの障害物を乗り越えたりする競技用トライアルバイクをベースにしています。

軽量コンパクトで車高が高く、シンプルな構造で路面の障害物の凹凸を乗り越えやすい設定になっています。車幅が極端に狭く、車体の高い位置にエンジンと小型の燃料タンクを搭載し、切れ角の大きいステアリングを装備しています。

●ダート(フラット)トラッカー

フラットなダートコースを周回するダートトラックレース用の車両をベースにして、モタードとは反対にロード用バイクに似通った車体にオンロード用のタイヤを装着したバイクです。

ホイールの直径が大きく、コーナリングの操縦性や安定性が高いので、街乗りから高速道路、林道までオールマイティで楽しめます。ダートトラックレースはオフロードですが、モトクロスのようなジャンプや凹凸がなく、フラットな固めたダートのオーバルコースを数台が速さを競うレースです。


未舗装のダート走行を想定したオフロードバイクにも、路面の凹凸の激しい荒れ地を走行するトレール、フラットなダート道を激走するダートトッラカー、岩場や崖を登るトライアル、またそれらの中間的なタイプなど数多くの種類のオフロードバイクが存在します。

ユーザーの嗜好の多様化に応える形で、細分化が進んでいます。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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