団長専用車のベースにもなったTバールーフ車も!初代S30のスタイルを上手に引き継いだ2代目130Zとは?【7代目Zプロトタイプ発表記念2代目・S130編】

■余念なきブラッシュアップで動力性能向上(1981(昭和56)年10月)

マイナーチェンジ版2代目Z(1981(昭和56)年10月)
マイナーチェンジ版2代目Z(1981(昭和56)年10月)
マイナーチェンジ版2代目Z(1981(昭和56)年10月)
スペアタイヤが右壁面に縦置きとなって広くなった荷室。SSTになったことで可能になった。従来はグランドタイヤが荷室フロア左に平置きされ、荷室空間を狭めていた。

話を2代目Zに戻して、1981年10月のマイナーチェンジでは、動力性能の向上、ロックアップ付きAT採用のほか、荷室フロア左に平置きしていたスペアタイヤが右サイド壁面に縦置き収容されました。これは車両装着と同じタイヤ(グランド・タイヤ)から小径のスペースセーバータイヤ(通称SST・いまの応急用タイヤのことだが、空気を抜いた状態で収容。使用時は専用ポンプで空気充填)に変わったためです。これは当局の認可が下りたことによる国内初の導入であり、同じ日産車ではこの時期に出た6代目スカイライン(R30型)の5ドアが追従しました。

 

 

エンジンは出力・トルクとも向上。

メカ面ではエンジンは2.8L車の性能が上がり、最高出力がこれまでの145から144psに、最大トルクは23.0から23.5kgmに向上。操舵機構は、これまでパワーステアリング付車に限られていたラック&ピニオン式が全車に展開された、サスペンションがダンパー減衰力を高めたなど、改良範囲が細部にまでおよぶ、割と規模の大きめなマイナーチェンジでした。

 

【スペック】日産フェアレディ280Z-T Tバールーフ 2シーター(3AT・1981(昭和56)年10月)
●全長×全幅×全高:4420×1690×1295mm ●ホイールベース:2320mm ●トレッド 前/後:1395/1390mm ●最低地上高:150mm ●車両重量:1285kg ●乗車定員:2名 ●タイヤサイズ:195/70HR14 ●エンジン:L28E(水冷直列6気筒 SOHC) ●総排気量:2753cc ●圧縮比:8.8 ●最高出力:155ps/5200rpm ●最大トルク:23.5kgm/4000rpm ●燃料供給装置:ECCS(電子制御燃料噴射) ●燃料タンク容量:80L(レギュラー) ●サスペンション 前/後:独立懸架ストラット式/独立懸架セミトレーリングアーム式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク式/ディスク式 ●車両本体価格(当時・東京価格):289.7万円