Mr. ソラン 
目次
■人のように学習したり、考えたり、判断できるような技術の総称
●クルマの自動運転では、ドライバーの代わりに分析や学習、判断できるAIは不可欠
AI(人工知能)は、人間のように学習したり、考えたり、判断できるような技術の総称です。車や電化製品、医療のような技術分野だけでなく、流通、経営、スポーツなど様々な分野で活用されています。
クルマの自動運転やインフォテインメント(情報＋娯楽)技術などに不可欠なAIの基本について、解説していきます。
●AIとは
AI(Artificial Intelligence)は、一般には「人工的に作られた人間のような知能、あるいはそれを作る技術」「人間の知的営みをコンピュータに行わせるための技術」などのことを指しますが、厳密な定義はないようです。
AIは、1950年代と1980年代にブームを迎えながらも、多くの技術課題のため広く普及しませんでした。最近になって、コンピュータの処理能力の飛躍的な向上や膨大なデータの収集能力と解析技術の進化、先進的な分析エンジンの登場などによって一気に実用化され、普及の段階に至っています。
●AIの分類とレベル
AIは特化型人工知能と汎用型人工知能に分けられます。
・特化型AI
自動運転や画像認識、自然言語分析、将棋や囲碁など、何かひとつの役割に特化したもので、現在実用化されたほとんどのAIが該当します。
・汎用型AI
まだ実現されていませんが、人間同様に汎用的な能力を持ったAIで自律的に考えたり実行したりできるものです。
特化型のAIは、2つの技術レベルに分けられます。
・機械学習
サンプルとなるデータをもとに学習して、新たなデータを自動的に判断してアウトプットします。検索エンジンやチェスプログラムなどが該当します。
・ディープラーニング(深層学習)
人の介入なしに自動的にルールや特徴を学習してアウトプットします。画像認識や音声認識、自然言語処理などが該当します。
●AIを支える機械学習
機械学習は、人間が自然に行っている学習能力をコンピュータで実現しようとする、機械に自ら学習する機能を追加する技術、手法です。
機械学習は、2つのフェーズで構成されます。
プログラムに大量のデータ(ビッグデータ)を入力、反復的に学習させてそこから規則性や判断基準となる数値を計算させます。その情報から推論を行って新しい結果を導き出したり、未来予測を行います。
●ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークとは、人間の脳が情報を伝える仕組みをコンピュータプログラムで模倣した数学モデルで、機械学習の発展のキーとなる概念です。
ニューラルネットワークでは、データを入力すると「入力層」で処理され、その後「中間層(隠れ層)」にある多数のニューロンに送られます。中間層でも処理されたデータは、「出力層」に送られ、最後に結果が出力されます。この処理を繰り返すことで、認識・分類・予測・学習・会話といった様々なことが可能になります。
●ディープラーニング
機械学習にニューラルネットワークの技術を応用して開発されたのが、自動翻訳や画像認識など様々な分野に応用されているディープラーニングす。
ニューラルネットワークの中間層のニューロンの数を増やして多層構造にして、大量のデータから規則性や判断基準を見つけ出します。
従来の機械学習では、規則性を見つける際にあらかじめ目の付け所(特徴量)を指定する必要がありました。ディープラーニングでは、その特徴量を指定しなくても自動的に見つけることができます。
機械学習の精度が上がり、時間が短縮され、隠れた特徴が見つかるという大きなメリットがあります。
近年になって、コンピュータ能力の飛躍的な向上や分析エンジンの登場などによって、AIが一気に実用、活用される段階に至りました。
AIを支える3つの要素である機械学習、ニューラルネットワーク、ディープラーニングについては、次頁で詳細に解説します。
（Mr.ソラン）
