車検に通る改造・通らない改造:装備編【保険/車検のミニ知識】

●アフターパーツで楽しいカーライフを送っていたのに、車検の時にダメと言われる事態は避けたい

多彩なアフターパーツを使って、自分好みの一台を作り上げる楽しみがあるクルマですが、アフターパーツの中には保安基準に抵触するものや、その取り付け方法が知らず知らずのうちに違法なものになっていることもあるでしょう。

今回は、車検に通る改造・通らないアフターパーツの選び方や取り付けの際の注意点を解説していきます。

s外装部品の要、エアロパーツは規格を守って装着すべし

クルマをカッコいいエアロパーツで着飾り、オリジナリティを高めたい、そんな気持ちはありませんか。エアロパーツやボディパーツは多くのメーカーから販売されており、多種多様な選択肢が存在します。

マイカーをよりオリジナリティの強いものにできる、人気のチューニングです。しかし、エアロパーツの取り付けにより、車検に適合しないというケースがあることを知っておきましょう。

エアロパーツの装着で犯してしまうミスは、クルマの大きさが大きく変わってしまうことです。車検証にはクルマの全長、全幅、全高、重さが細かく記載されており、ユーザーの改造はこの数値を著しく損なわない範囲に限られています。

具体的には、全長は+3㎝、全幅は+4㎝、全高は+2㎝、重量は100㎏までの拡大や増加までは許容されており、自由にパーツを取り付けても大丈夫ですが、この基準を超えてしまうと、現在の車検証に記されているクルマのサイズと異なるということで、そのままでは車検に通らなくなります。

SUV車が人気の昨今、特にボディサイズの拡大で違反となるのが多いのが、オーバーフェンダーです。車両全幅を大きく変えてしまう商品が多く、実際に拡大できる範囲の片側2㎝の拡大幅を大幅に超えるものが販売されています。

SUVの足元をスタイリッシュに整えるオーバーフェンダーの装着には、特に注意が必要で、商品自体の厚みが2㎝以内であっても、実際に取り付けをしてみると取り付け方法や位置によっては、元々の全幅よりも4㎝以上広くなってしまうこともあるのです。

こういった状態で車検を通すには、そもそものクルマの構造変更をかけなければなりません。非常に工数がかかり手間と時間とお金がかかるので、ルールの範囲を超えないようにエアロパーツを選んでいきましょう。

SUV
せっかくカスタマイズしたのに、車検は通らない公道を走れないでは意味がなくなってしまいます。法規を理解して、合法なカスタムをしていきましょう。

また、かなりの旧車を除き、突起物を装着することに対する基準も明確に定められています。平成21年1月1日以降に製造されたクルマでは「鋭い突起」となるパーツを取り付けてはならないと規定されています。

対象となる突起物は曲率半径が2.5mm未満の形状であり、車体から突き出ている部分が5.0mm以上のものです。また、突起物が存在してはいけない範囲があり、フロアラインより上から地上2.0mまでの範囲に、取り付けられていてはいけません。

カナード
車両の突起物は、歩行者に危険が及ぶため安易に取り付けるのは危険です。ルールの中で正しく取り付けましょう。

注意するのはボンネットピンや、バックモニターカメラの取り付けステー部分、後付けしたエンブレムやキャラクターのマスコットなどです。これらが規制の範囲に飛び出していないか、また取り付け位置は規制範囲ではないかを確認しておきましょう。

・ヘッドライトの色や反射板に注意

保安基準の中で非常に細かくかつ厳しく規定をされているがライト類に関するものです。ライトの配置や配色については誤った認識も多くあり、簡単にできるDIYチューニングの一つとして親しまれているのですが、知らずに違反していることが多い部分でもあります。

まず、ヘッドライトは、平成18年1月1日以降に生産されたクルマは、全て「白色」である必要があります。これより古いクルマであれば、黄色のバルブをヘッドライトとして使用することができます。年式により、ヘッドライトの色の許可範囲が異なることを理解しておきましょう。

誤認が多い箇所として、ヘッドライトは黄色が使えませんが、フォグランプに黄色を使用することはできます。黄色いランプ=全て違反というわけではないので、黄色のライトをつけたい場合には、フォグランプバルブを黄色に変更すると良いでしょう。

ヘッドライト
イエローバルブはフォグランプとして使うのはOKです。白色のフォグランプよりも、雨の路面が見やすくなったりして、フォグランプの機能を高めてくれます。

また、乗用車に義務付けられている反射板の取り付けは、後方のみです。ユーザーの判断での安全性の確保から、反射板をむやみやたらにクルマの車体に貼り付けるのも、車検に通らない要因となってしまいます。

後方のリフレクターの色は「赤」と決められており、さらにクルマの中心に対して左右対称に取り付けられなければなりません。リフレクターには白いものも売っていますが、これを車両後方に貼り付けては保安基準違反となります。

さらに、最近ではエンブレムを光らせるDIYチューニングも多く存在しますが、その光に関しても、後方での白の使用は認められていません。対して、車両前方には赤いリフレクターを装着することができません。最近装着が増えているデイライトでも同様に赤は認められません。

車両前方に使える色は基本的に「白」です。一部、青が認められるケースもありますが、クルマの光モノに関しては、後方が赤、前方が白と覚えておくといいでしょう。

・フロントガラスやダッシュボード周りにも注意

お守りや小旗、ステッカーなどを目立つフロントガラスに貼り付けたいという方も多いのではないでしょうか。実際に、街中を走っているクルマを見てみると、フロントガラスの内側に様々な物が取り付けられているクルマを多く見かけます。また、ダッシュボードの上にフィギュアやぬいぐるみが置いてあるクルマも見かけますね。

フロントガラス
フロントガラスには余計なものは取り付けない、これが法規を守ることになり、安全運転に必要な視界の確保にもつながります。

クルマのフロントガラスには、貼り付けていいものが決められています。決められたもの以外を張り付けておくことは保安基準違反です。

フロントガラスに貼り付けていいものは「整備命令標章」「臨時検査合格標章」「検査標章」「保安基準適合標章」「保険標章」「公共の電波を受信するアンテナ」「ルームミラー」「ETCアンテナ」「ドライブレコーダー」「ミリ波レーダーや赤外線センサー、カメラ」「レインセンサー」「オートライトセンサー」などです。

つまり、車検ステッカーと丸ステッカー、衝突被害軽減ブレーキに必要な装置類や、ETC、ドライブレコーダー以外は装着不可ということです。オリジナルのステッカーや、お守りなどを吸盤で取り付けるのも、違法な状態となります。基準が厳しいフロントガラスには、独自にモノを取り付けないようにしましょう。

また、ダッシュボードの上に物を置いておくのは、運転の支障がない範囲であれば違法とはなりませんが、万が一の事故の際にエアバッグが展開したときに、非常に危険です。

ものすごいスピードで展開するエアバッグと一緒に、ダッシュボードの上に置いていたものが飛んでくることになります。法令違反には問われませんが、命に係わることがあるので、ダッシュボードの上は綺麗に片づけておきましょう。

まとめ

パーツメーカーも工夫を凝らし、簡単取り付けができるアフターパーツが増えてきました。ユーザー自身の判断だけで装着ができる装備の中には、無意識のうちに保安基準違反となってしまうものも多くあります。

DIYは非常に楽しいものですが、迷ったら専門家の見解を確認し、法令に抵触しないようにクルマを楽しみましょう。

(文:佐々木 亘)