ホンダから新型アコードが登場。月販目標300台は多いか少ないか?【週刊クルマのミライ】

新型アコード

■トヨタ・カムリの2019年実績が平均1600台/月。モノグレードのアコードで300台は意欲的!?

2020年2月21日、ホンダ新型アコードの発売が始まりました。言わずもがなグローバルモデルとして伝統あるモデルの10代目が日本上陸です。日本向けは2.0Lハイブリッドで装備を充実させた「EX」だけのモノグレード設定です。

ハイブリッドシステムについては従来型の「スポーツハイブリッドi-MMD」から「e:HEV」へと名称を変更しましたが、市販エンジンではトップクラスの最大熱効率を誇る2.0Lエンジンに2モーターハイブリッドやリチウムイオン電池を組み合わせるという構成は同じです。

燃費性能はJC08モードで30.0km/L、WLTCモードでは22.8km/L。WLTCの各モードの数値は市街地モード:21.2km/L、郊外モード:24.4km/L、高速道路モード:22.6km/Lと、どのモードでも比較的差がないのが特徴です。

プラットフォームは新作で、重心高を15mmほど下げ、車両重量も50kgの軽量化を実現したといいます。フロント・マクファーソンストラット、リヤ・マルチリンク式のサスペンションには、四輪独立制御のできるアダプティブ・ダンパー・システムを与えています。すなわち、ハンドリングと快適性を両立したセダンに仕上がっていることが期待できるのです。

新型アコード
ボディサイズは全長4900mm 全幅1860mm 全高1450mm ホイールベース2830mm。車両重量1560kg。タイヤサイズは235/45R18 94W

まさにホンダの自信作といえます。その自信を表すかのようにメーカー希望小売価格は465万円(消費税10%込)と、ミドル級セダンとしては、割合に強きを感じられる値付けとなっています。

直接のライバルといえるトヨタ・カムリは複数のグレードと電動4WDの設定もありますが、FFモデルの価格帯は345万円~445万円といったところですから、アコードの割高感は否めません。なにしろカムリのパワートレインは2.5Lエンジンの2モーターハイブリッドで、最大熱効率などでもアコードといい勝負をするガチンコのライバルだからです。

新型アコードの月販目標は300台。カムリの販売実績は2019年で1万9221台で、月平均にすると1600台です。グレード数の違い、販売ネットワーク規模の違い、4WD設定の有無などを考えると、カムリの実売に対して1/5という目標は、十分にリアルに思えます。むしろ意欲的というか、チャレンジングに感じます。

直近2020年1月の通称名別販売台数(自販連調べ)のトップ50に名を連ねているセダンモデルは少数派。純粋な4ドアモデルに絞ると、1764台売れたトヨタ・クラウンを筆頭に、1102台のカムリ、823台のSUBARU WRXといった3モデルしか名前がありません。こうした市場の実情を考えると、モノグレードでなおかつFWDだけの設定というアコードが月販300台を目指すというのは、むしろ「高い目標を掲げたな」と思うのです。

新型アコードが製品としての価格満足度がどのレベルにあるかは不明ですが、どんなに良くできたクルマでも新車効果が薄れてくると目標に達するのが難しくなってくるのが新車販売の常です。ですから、月販300台という目標を安定して実現するためには、ずっとモノグレードのハイブリッドだけという設定では厳しいのではないでしょうか。

日本でローンチされたばかりで気の早い話ですが、そうなったときにホンダがどのような施策をとるのかには興味津々です。

メインマーケットといえる北米仕様のアコードには、シビックタイプRゆずりの2.0Lターボ(北米のスペックで252hp)に6速MTを組み合わせたスポーツグレードも設定されています。アコードにスポーツグレードを追加したからといって大幅な販売増にはつながらないでしょうが、そもそも日本ではアコードはスポーティなセダンというキャラクターで人気を博してきました。

ターボエンジン・グレードの日本導入は非現実的な妄想かもしれませんが、海外でスポーティなアコードが売られていることを知っておくと、アコードに対するイメージは少し変わるかもしれません。

北米仕様アコードのターボエンジン
北米仕様のアコード「2.0T」グレードには10速ATの設定もある

(自動車コラムニスト・山本晋也)

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