次回はトラックレコード更新!? ティエリー・ブーツェンがポルシェ962Cで物凄いタイムを叩き出した【SUZUKA Sound of ENGINE2019】

サウンドオブエンジン

■元F1ドライバーがグループCカーで大暴れ!

2019年11月16日(土)、17日(日)に鈴鹿サーキットで開催された「SUZUKA Sound of ENGINE2019」。

実はこのイベントで、スペシャルゲストとして来日した元F1ドライバーのティエリー・ブーツェンがとんでもない記録を叩き出したのです!

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ニッサンR86V(1986年)。様々なグループCカーが集まりました!

プログラムの目玉の一つでもあった、グループCカーのデモンストレーションラン。

マツダ787Bやトヨタ85CL、ニッサンR86Vといった1980年~90年代のレースシーンを駆け抜けたモンスターマシンが合計6台集結しました。

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トヨタTOM’S 85C-L(1985年)。
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ニッサンR91CP(1991年)。
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ポルシェ962C/ADVAN Alpha NOVA(1988年)。
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マツダ787B #202 JSPC Ver.(1991年)。
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マツダ767B(1989年)。
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マツダ767Bコクピット。

ブーツェンは、JSPC(全日本スポーツプロトタイプカー選手権)で黄金時代を築いたポルシェ962Cをドライブ。最初は通常のデモラン走行を見せていたのですが、周回数を重ねる度にどんどんスピードが上がっていき前を走るマシンにあっという間に追いついていくではないですか!

まさに「振り向けばブーツェン」状態です。

グループCカーのオーナーがドライブして平均時速230kmのところ、ブーツェンは時速280km越え!!

「これ、デモランだよね!? 」と目を疑うほどとにかく攻めまくりで、御年62歳とは思えない走りはグループCカー大好き実況アナウンサーが「この走行を見ているだけでご飯3杯いけますね」と興奮気味にコメントするほどでした(笑)。

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コースに向かうブーツェン。

全ての周回を終え、叩き出したタイムは1分59秒010! このマシンが現役時代(1988年)の鈴鹿1000kmレースでの予選タイムは1分57秒709(高橋国光、茂木和男組)だったんですよ。

31年経ったのにも関わらず、その差はわずか1.3秒と驚異の走りで会場からブーツェンコールが鳴りやまないほどファンのハートを鷲づかみ。まるでデモランでなくレースを見ているような気分になりました。

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度肝を抜かれる走りに大興奮でした!

トークショーでデモランについて聞かれると「今日はたくさんのマシンをドライブして(ポルシェ962Cの他にもウイリアムズFW12・ジャッドも走行)、非常に気分が良くなったんだ。周回を重ねるごとに当時を思い出して、ついついスピードを出しどんどん速くなっていったよ(笑)」と嬉しそう。

そして「ファンのみんなと一緒に楽しめるイベントだよね。可能であれば来年も戻ってきてトラックレコードを更新したいな!」と、なんとも嬉しいメッセージを送ってくれました! お客さんはもちろんですが、ブーツェン自身も「SUZUKA Sound of ENGINE2019」を心から楽しんでいるようでしたよ。

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ティエリー・ブーツェン。

■マツダ787Bはル・マンで音のチューニングをされている!?

グループCデモンストレーションレースで、もう一つ印象的だったのがエキゾーストノート。どのマシンもバリバリバリと言う力強い音をたてながら走っていく姿は「さすがモンスターマシンだな」と思ったのですが、中でもマツダ787Bは強烈で、鼓膜が震えるほど甲高い音で一度聴いたら頭から離れないんです。

マツダ787Bといえば、1991年に世界三大レースの一つであるル・マン24時間レースに日本車として初めて総合優勝を成し遂げた伝説のマシン。総合優勝を飾った55号車がミュージアムに展示されることになったため、急遽製作されたのが今回やってきた202号車。レナウンカラーのグリーンとオレンジの配置が逆転されているのが大きな特徴です。

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ル・マン24時間レースに不可欠な高照度ヘッドライトがないのも、特徴の一つ。

デモンストレーションレースでは、ル・マン24時間レースに計29回参戦し「ミスタールマン」の愛称で呼ばれる寺田陽次郎さんがステアリングを握ったのですが、寺田さん、鮒子田寛さん、福山英朗さんのル・マン24時間レース経験者によるトークショーで、そのサウンドの秘密、そして当時の様子を教えてくれましたよ。

「レース中に仮眠するのですが、マツダ787Bとアメリカのシボレーが通った時だけすぐ分かりました。それくらい魅力的な音でしたね」と話す福山さんに対し、鮒子田さんは「寺田君には申し訳ないけどマツダのマシンはル・マンのピットでひんしゅくを買っていて、隣のピットから苦情がくるの(笑)。独特の甲高い音でね。そのくらい素晴らしいエンジンということですよ」と衝撃発言!

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福山英朗さん。
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鮒子田寛さん。

すると寺田さんは「違う違う、ひんしゅくを買ったのは3ローターまでだから。それはね、認める(笑)。実はマツダ787Bが良い音になったのにはエピソードがあって。僕が初めてル・マンに行った時、マトラの音に魅了されたんですね。マトラサウンドというのはV12で1万3600回転で、めちゃくちゃ良い音がしたんです。ル・マンのストレートでマトラにぶち抜かれた時に、音がワンワンワンワンとずーっと響いてたの。91年に僕らが優勝する気持ちで行った時にはマシンはパーフェクトに出来上がっていたから、音のチューニングをすることになったんです。だからあの良い音がするんですよ」と、マツダ787Bのサウンド誕生秘話を話してくれました。

さらに「3ローターまでは乗っていても嫌(笑)。アクセル全開で踏んだ時、申し訳ないけど汚い音だったんです。でも4ローターになって音のチューニングが完成されてからは、最高に気持ちが良いですね。当時、マトラの再来だとも言われたんですよ」と、笑顔。

まさか音のチューニングがされていたとは思わなかったので(マシンがパーフェクトと言うのがかっこいい!)、これは驚きのエピソードでした。

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寺田陽次郎さん。91年のル・マン24時間レースではマツダ787Bの56号車に乗っていました。

歴代の名車達はもちろん、イベント名の通りマシンのサウンドも楽しめ、さらには元F1ドライバーの本気走りまで見ることができた「SUZUKA Sound of ENGINE2019」。

また次回も絶対に行きたい!そう思わせてくれる、素敵なイベントでした。

(写真:鈴鹿サーキット、yuri/文:yuri)

【関連リンク】

トヨタ85CL、ニッサンR86V、マツダ767B! 今も語り継がれる「グループCカー」の魅力を高橋二朗さんに聞いた!【SUZUKA Sound of ENGINE2019】(PR)
https://clicccar.com/2019/11/14/919685/

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