●未来のバネはカーボンになる? 日本発条株式会社の最新技術
NHKニッパツこと日本発条株式会社は、日本有数のサスペンション用スプリングのメーカーです。そのNHKニッパツが開発中だというのが、CFRPつまりカーボンファイバー製のスプリングです。
現在使われているスプリングは金属製ですが、それをCFRPで作れば圧倒的に軽くできるわけです。すでに板バネではGFRP(グラスファイバーを使ったFRP)製のものは実用化できる状態になっているそうですが、それでも金属製バネの3割という圧倒的な軽さ。CFRPにすればさらに軽くできるそうです。
ただ、まだ難しい面もあって、CFRPは繊維を重ねて成形していくわけですが、ある力の向きに弱かったり、外側からの見た目が変わらなくても、中で繊維がほつれてきて、特性が落ちたりするという課題があるほか、特に巻バネでは成形そのものも難しいそうです。
実現しても価格は高くなるので、まずは高級車や高級スポーツカーにしか使われないでしょうが、軽さを生かした性能が楽しみですね。
また、NHKニッパツでは、精密プレス加工技術を生かして、薄板を積層して作るモーターのコアの製造なども得意としています。
また、金属製の基盤の製造も力を入れているそうです。現在のクルマには発熱量が多い電子回路が増えているそうで、熱伝導性の高い金属基盤はニーズが高まってきているようですね。
またヒートシンク一体型の基盤も開発中だそうです。
サスペンション用のバネは不変の重要パーツですが、クルマの進化によって、新たな性能が要求されているパーツもいろいろあるんですね。
(まめ蔵)