塚田勝弘 
■グランエースは2.8Lディーゼル＋6速ATを搭載したFR駆動モデル
トヨタ車体の増井敬二社長が自ら何度もテストコースで試乗したというグランエース。このモデルが、トヨタ車体のブースで最大の注目を集めていました。
トヨタ・グランエースは2019年内に発売予定の大型ミニバンです。FRの大型車向けプラットフォームを同モデルのために開発し、「CV Company」の中核としてトヨタのミニバンやバンなどを手がけるトヨタ車体のノウハウが活かされています。
ボディサイズは全長5300×全幅1970×全高1990mm、ホイールベースは3210mmで、威風堂々とした貫禄を放っています。室内長は3290mm、室内幅は1735mm、室内高は1290mm。3列6人乗りと4列8人乗りが設定されます。
新型グランエースが想定している主な用途はホテルや空港などの送迎です。3列6人乗り仕様は、2列目だけでなく3列目にも大型キャプテンシートが配されていて、足を伸ばしてゆったり座れます。
グランエースという車名からハイエースの派生モデルや新型のように感じられますが、担当者によると単に「エース」という車名を使っているだけで、ハイエースの上級モデルや派生モデルとは別のカテゴリーとしています。
ボンネット内にエンジンを搭載したセミボンネットタイプで、駆動方式はFR。パワートレーンは、「1GD」型の2.8Lクリーンディーゼルエンジンと6速ATの組み合わせで、滑らかさに加えて低回転からトルクフルな走行を実現するとしています。
また、足まわりには、新開発のトレーリングリンク車軸式リヤサスペンションが採用されているほか、環状骨格構造などによるボディ剛性の高さにより、上質な乗り心地と優れた操縦安定性が得られるそう。
さらに、アルファード/ヴェルファイアと同等レベルの遮音性、静粛性が確保されています。増井敬二社長もその静粛性の高さをアピールしていましたから、その仕上がりは期待大です。
ほかにもトヨタ車体では、内装モデルとして「Resort Tourer Concept」「Business Liner Concept」を出展しています。
前者は超豪華列車のようなハイヤーをイメージし、対面4座シート、タブレットが格納されたシートテーブル、天井のプロジェクターなどが用意され、優雅な旅、ドライブが演出されます。
後者は、わずかな隙間時間も惜しむ忙しいビジネスパーソンを意識したコンセプトで、ワンランク上の送迎サービスをイメージしたもの。7人定員で、シートが左右15度まで回転することで、乗降を楽にするといった工夫も盛り込まれています。
●世界初公開の「PMCV」コンセプトは、2030年のエスティマ!?
世界初公開の「PMCV」コンセプトは、トヨタでミニバンの企画、生産を担うトヨタ車体が提案する「2030年のミニバン」です。シートがすべて格納可能で荷物も容易に積載できるほか、前後に大きく開くスライドドア、大きく上に開くガラスハッチによる大開口部を備えています。
増井敬二社長は、トヨタ車体はバンづくりのプロとしてのプライドと覚悟を持ち、ミニバン/バンのスペシャリストとして、ユーザーの笑顔につながる「もっといいクルマづくり」を続けていく、としています。
（文/写真 塚田勝弘）
