「圧縮技術」と「電動車の電源活用」というテーマで出展する豊田自動織機【東京モーターショー2019】

●電動コンプレッサーの中国生産を開始する豊田自動織機の出展概要

カーエアコン用コンプレッサーで世界的なシェアをもつ豊田自動織機は、自動車関連事業の製品を「圧縮技術」と「電動車の電源活用」というテーマに分けて東京モーターショー2019の展示すると発表しました。なお、同社は、2019年10月10日に初の電動コンプレッサーの海外生産を中国で2020年初旬より開始すると発表しています。

豊田自動織機
東京モーターショーの出展概要を発表した豊田自動織機

「圧縮技術」では、エンジン車からハイブリッド、PHV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池車)を含む電動車まで、クルマのパワートレインは多様化していて、クルマが力強く、楽しく走るために欠かせない技術。また、キャビンの快適性のため、多様な圧縮技術が採用されています。

圧縮技術という観点から、ターボを組み合わせて省燃費と高出力を両立させた環境にやさしいエンジンや、世界トップシェアを誇るカーエアコン用コンプレッサー、FCVの発電に必要な空気を吸引・圧縮して発電装置に送る酸素供給エアコンプレッサーなどを展示。こうした製品の仕組みや役割が紹介されます。

豊田自動織機
中国で生産を開始すると発表された電動コンプレッサー

地震や台風などの自然災害で注目を集めている「電動車の電源活用」。台風被害で停電がまだ一部で続いている千葉県の例もあるように、クルマのバッテリーから取り出した直流電力を家庭用の交流電力に変換し、非常時の電源として活用する取り組みに注目が集まっています。ACインバーターは、東日本大震災の際、停電時の携帯電話充電や暖房機器などの電源として使用されたのを機に、非常時の活用に関心が高まりました。

今回の出展では、HVやPHVなどの電動車を6台接続して高出力の電力をエレベーターなどの設備に供給する「ACインバーター結合器」や、FCバスなどの大電力供給能力を活用する「外部給電器(V2L)」など、開発中の製品を含め同社の電源活用技術が紹介されます。なお、「V2L」は、「Vehicle to Load」の略で、HV(ハイブリッド)、PHV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)の蓄電能力や発電能力を活用して電気機器に電力供給を行う仕組み、装置のことです。

また、注目が集まっている自動運転技術に関連し、豊田自動織機が開発している産業車両の自動運転や自律搬送、ロボティクス技術を紹介し、未来の物流の一端を披露するとしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる