未来の移動するリビング!? スズキのコンセプトカー「HANARE」【東京モーターショー2019】

●自動運転時代でもクルマを所有する喜びを提供。遊びの拠点になるクルマ

どことなく2階建てバスのようなボクシーなフォルム、天地に薄いサイドウインドウグラフィックが目を惹くスズキのコンセプトカー「HANARE(ハナレ)」は、家の「離れ」のようなほどよい大きさの室内空間が移動することで、運転以外の楽しさやワクワクを提供するというのが狙いだそうです。

スズキ ハナレ
東京モーターショーの参考出品車、スズキ「HANARE(ハナレ)」の外観

空前のキャンピングカー・アウトドアブームといわれる現在、スズキは未来(2040年頃)のライフスタイルがさらに多様化すると予想し、移動する小さな家(離れ)を同コンセプトカーで提案しています。

AI、ロボットによる超効率化社会でも人のつながり、人のこだわりなどを満たすべく、自動運転時代でもクルマを所有する喜びを提供。

スズキ ハナレ
上に開く大開口ドア

具体的には、大開口のドアを開けると、家の離れのようなプライベートな空間と遊びのベース拠点になる開放的なインテリアが特徴です。

スズキ ハナレ
家の建材(外壁)をイメージさせるエクステリアデザインも特徴

ボディサイズは全長3900×全幅1800×全高1900mmで、駐車場や狭い場所に自由自在に出入りできるサイズと、前後対称のデザインが特徴で、車内の広さを感じさせるキャビンと、プライベート空間を想起させるガラスエリアに、スズキのSUVイメージが表現されたフロントグリルやフェンダーが付加されています。

スズキ ハナレ
インパネ、操作系を廃したレベル5の完全自動運転を想定

インテリアは、ステアリングやインパネをなくした完全自動運転(レベル5)向けの設計・デザインで、室内を最大化。クッションが回転して自由な座り方ができるソファシートが配され、リビングのような温かみが感じられる空間が表現されたそう。

さらに昇降するフロアにより、日本の住宅にある小上がりのような使い方も可能としています。

室内空間の大型モニターでは車両操作や目的地設定が行えるほか、ゲームや映画、風景などを写しだし、移動中の楽しさを提案しています。パワーユニットはインホイールモーターのEVが想定されていて、駆動方式は4WD。

スズキ ハナレ
左右対称のユニークなフォルム

自動車運転時代にも車中泊を重視したキャンピングカーがあると楽しいと思いますが、同コンセプトカーならベッドを置けばそんな使い方もできそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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