ポルシェ初のピュアEV「タイカン」がワールドプレミア。まずは「ターボS」と「ターボ」がデビュー【新車】

●最高761PSの超スペックに加えて、800Vの電圧により5分程度で100km走行分の充電が可能

ポルシェは、プラグインハイブリッド車をすでに投入済みで、2019年9月4日、同ブランド初のピュアEVである「タイカン」を世界初公開しました。発売時に導入されるのは、「タイカンターボS」と「タイカンターボ」で、ポルシェEパフォーマンスの最先端であり、スポーツカーブランドのポルシェの現行ラインナップ中で、もっともパワフルなモデルになります。

さらに、今年中に出力の少ない4輪駆動モデルも追加される予定で、2020年の終わりまでに派生モデルとして「タイカンクロスツーリスモ」のデビューも予定されています。

ポルシェ・タイカン
モーター駆動らしい鋭い発進が可能なポルシェ・タイカンの走り

注目のスペックは強烈で、トップエンドモデルであるタイカンターボSは、ローンチコントロールとの組み合わせで最大560kW(761PS)のオーバーブースト出力を発生することが可能だそう。タイカンターボの最高出力は500kW(680PS)。

タイカンターボSとタイカンターボは、2基の高効率的なモーターをフロントアクスルとリヤアクスルに1基ずつ搭載されていて、4WDになります。航続距離とドライブの連続出力の両方が、高効率の永久磁石同期モーターによるメリットを受けます。

ポルシェ・タイカン
ポルシェ・タイカンのリヤビュー

電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、それぞれコンパクトなドライブモジュールに統合され、同モジュールは、電動パワートレインの中でも最高クラスの電力密度(パッケージスペースの1LあたりのkW)を備えているそう。

モーターには、ソレノイドコイルのヘアピン巻線が使われていて、さらに多くの銅をステーターに組み込むことが可能になり、体積は同じまま出力とトルクが増加。また、リヤアクスルには2速トランスミッションが搭載され、1速は発進時から力強い加速を担います。一方、ロングレシオの2速は、高い効率と同時に高いエネルギー残量を担保し、高速走行時も稼動。

ポルシェ・タイカン
5分程度で高出力充電ネットワークの直流(DC)で、最高100kmの航続距離分の充電が可能

また、モーター駆動の利点を活かし、タイカンターボSは0-100km/h加速を2.8秒でクリアし、タイカンターボも3.2秒という超ロケットスタートが可能。ターボSの航続距離は最大412km、ターボは450km(WLTP)。いずれのモデルも、最高速度は260m/h。

タイカン最大のトピックがその高電圧で、EV用は通常400V程度ですが、同車は800Vのシステム電圧を備えた初の市販車になります。これにより、わずか5分程度で高出力充電ネットワークの直流(DC)を使って、最高100kmの航続距離に必要なエネルギーをバッテリーに充電できます(WLTPに準拠)。

バッテリーの充電状態(SoC=State of Charge)が5%の状態から80%まで充電するのに必要な時間は、最大充電容量270kWでの理想的な状態において22分30秒と、現在市販化されているEVの中でも短め。パフォーマンスバッテリープラスリチウムイオンバッテリーの総容量は、最大93kWh。もちろん、自宅などで最大11kWの交流(AC)で快適に充電することができます。

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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