【SUZUKA 10H】日本初のレーシングカー市内パレードから始まったSUZUKA 10Hを「Modulo Drago CORSE 034号車」はどう闘った?(PR)

18位ながら無事完走を果たしたModulo Drago CORSEの034号車

SUZUKA 10Hの決勝レースは8月25日に行われました。

Moduloプリティ
Moduloプリティ

決勝の日のスケジュールはレーススタートが午前10時からとなっているために朝が早く、ピットウォークは朝の7時から。それでも朝早くから大勢の来場者の方々がピットウォークにやってきます。

SUZUKA 10HのModulo Drago CORSE 034号車
SUZUKA 10HのModulo Drago CORSE 034号車

8月24日の予選の結果により23位からのスタートとなったModulo Drago CORSEの034号車。スターティンググリッドは旧ルマン式となりストレートのピット寄りの壁に斜めに並べられます。実際のスタートはここからフォーメーションラップを経てのローリングスタートとなります。

グリッドでの選手たち
グリッドでの選手たち

朝9時過ぎから始まったグリッドウォークも多くの来場者で賑わいます。この時点で気温は30度近くまで上がっており、グリッドではスタートドライバーの道上龍選手がクールジャケットの上から保冷剤で体を冷やしているという光景も見られます。

Modulo Drago CORSE 034号車
Modulo Drago CORSE 034号車

フォーメーションラップを経て午前10時に切られたスタート。ここから10時間後の夜8時のチェッカーフラッグまで長い戦いが始まります。ミスなく走り最終的な順位をあげていくという戦略でレースを進めるはずでしたが、スタートではルールの解釈の違いで順位を落としてしまいます。

日本のレースではシグナルがブラック・アウトしてレースがスタートしてもスタートラインまでは追い抜きはできませんが、ブランパン ワールドGTチャレンジの一戦となった今年は、統括するSROのルールが適用されるのでコントロールラインから追い抜きができたようで、この辺りのルールの理解の違いで2台ほど先行を許してしまいます。

Modulo Drago CORSE 034号車
Modulo Drago CORSE 034号車

ルールと言えばピットでのルールも違います。義務付けされたピットインでは必ず84秒のピットストップも義務となります。これよりも早くピットアウトするとペナルティとなるのです。

その間にタイヤ交換、給油、ドライバーチェンジを行ないますがSUPER GTなどで1秒未満の戦いをしながらピット作業を行う日本のチームにとってはかなり余裕のある作業となるのでピットではミスのない作業が行なえます。しかしタイヤ無交換作戦などのピット作業を削っての作戦はとれません。

Modulo Drago CORSE 034号車
Modulo Drago CORSE 034号車

レースはフルコースイエロー(FCY)やセーフティーカー(SC)が何度も入る荒れた展開となっていましたが、Modulo Drago CORSEの034号車はピットインでの順位変動はあったものの17位〜19位の推移、淡々と走っているかの印象を与えていました。

Modulo Drago CORSE 034号車
Modulo Drago CORSE 034号車

しかし、そんな中でも出来るチャレンジは繰り返していたようで、中嶋大祐選手曰く「日本のドライバーならペナルティーとなりそうで絶対にやらない。(PS4ゲームの)グランツーリスモだってペナルティーになる」という、海外勢の4輪脱輪になるようなライン取りを大津選手は「後ろにくっついていって真似してみました。確かにピレリタイヤだったら効果ありですね。SUPER GTだったら絶対にやりませんけど」と語っています。

大津弘樹選手
大津弘樹選手

こういった走りに貪欲な姿勢の大津選手、ナイトランとなる夕方6時以降は連続で2スティントを担当します。

夜7時を過ぎた頃から日も完全に落ちる鈴鹿サーキット。増設もされたヘッドライトだけが頼りとなります。「とにかく暗くてよく見えない。後ろからアウディの速いのとかが来て眩しいな、と思うことはありますが、むしろ前の方を照らしてくれるのでかえってこっちのペースが上がったりします」と語る大津選手。

中嶋大祐選手と道上龍選手
中嶋大祐選手と道上龍選手

そして夜8時に向かえたチェッカー。18位でフィニッシュとなったModulo Drago CORSEの034号車。

Modulo Drago CORSE 034号車
Modulo Drago CORSE 034号車

レース後に道上選手は「完走できたのは良かった。でもピレリタイヤに悩まされたのは事実で、決勝日の朝の短いフリー走行で予選よりはマシンのセッティングも良くなったが、ドライバーもこのタイヤに合わせたドライブをしないといけない。ルールの理解とレースのイメージの違いが海外勢と日本側でかなり違う。例えば(4輪脱輪しそうな)スプーンコーナーでのあのコーナリングは僕らの感覚で行けば違うコーナーとして捉えられなければできない」と語ります。

つまりSUZUKA 10HではSUPER GTのマシンで鈴鹿サーキットを走ってはいるものの、戦う相手とのレースのイメージがこれまでのレースとは全く違うということ、となるのです。

道上龍選手
道上龍選手

「SUPER GTのマシンを持ち込んでいるので壊さなかったのはまぁよかった。次のSUPER GTオートポリス戦は昨年も表彰台に上がっているし、その次のSUGOも昨年はかなり良かったので9月に2戦あるSUPER GTはいいイメージで臨みます」と早くもSUPER GTのシリーズに頭を切り替えている道上選手。

無事に完走を果たした選手たち
無事に完走を果たした大津弘樹選手、道上龍選手、中嶋大祐選手

SUPER GTの次戦、9月7日〜8日のオートポリス戦では再び表彰台を期待しましょう。

(写真・文:松永和浩)

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この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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