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タイヤに苦しめられた予選
23日のフリープラクティスではあいにくの雨のため思うようなセッティングが進んでいなかったModulo Drago CORSEの034号車。予選が雨ならばフリープラクティスのデータが生かせるのですが、24日の天候は晴れ。それもかなり気温が上がり路面温度も上昇していきます。
24日の予選に先だって午前中に1時間だけ行われるフリープラクティスだけでドライ路面へのセッティングをしなくてはなりません。しかし、フリープラクティス開始早々に道上龍選手がスピンを喫してしまいます。「やはりピレリタイヤのグリップ感の問題でうまくセッティングが決まらない」と予選後のインタビューで道上選手が語ります。
そして始まった予選。SUZUKA 10Hの予選は第1ドライバーから第3ドライバーまでが各々の組で走行し、3名のドライバーのベストタイムの合算で上位20台がポールシュートアウトへ進みます。日本のレースに当てはめて言えばポールシュートアウトはQ2に相当するものです。その第1ドライバー予選での道上選手のタイムは2分04秒114。順位は24位でトップと約2秒の差が出てしまいます。
続く第2ドライバー予選では大津弘樹選手が2分02秒580とタイムを一気に縮めて13位まで順位を上げてきます。しかしピットに戻ってきた大津選手の表情は微妙。「リアのグリップが安定しない」と訴えています。
そして第3ドライバーの中嶋大祐選手が予選に挑みます。タイムは2分03秒719で順位は26位。3名のドライバーの合算による順位は23位で、ポールシュートアウト進出ならずという結果となりました。
道上選手は「昨年同様ピレリタイヤに馴染みがないのが大きな問題。リアのグリップ感が無いという昨年と同じ状態です。SUPER GTで使うヨコハマタイヤはマシンやコースに合わせたいわばスペシャルなタイヤですが、ピレリはライフを長くするためなのでしょうが無理が利かないタイヤで、少しでも無理をすると途端にグリップが無くなります」と語ります。「厳しいポジションから決勝に臨まなくてはなりません」とも語ります。
また大津選手は「予選ではセットアップを大きく変えて自分が思った以上のタイムが出せたのですが、やはりオーバーステアを消す方向でのセッティングだったのでそこから大きくは挑めない感じでした。タイヤのキャラクターも大きく関係しています」と語ります。
そして中嶋選手は「タイヤやマシンのキャラクターをつかむリズムが取れなくて、そんな状態で予選に入ったのですが、見極めができないまま予選が終わってしまった感じです」として「やはり道上さんが言うようにオーバーステアが強くてそこが昨年とあまり変わっていない印象です」と語ります。
「決勝では長い時間の中で接触やペナルティなどのミスが無いようにドライバーも注意して走りますし、またミスを起こさないようなセッティングを今から入念に入れていきます」と決勝に向けて語る道上選手。
中嶋選手は「地味なことですがタイヤのライフを考えてあえてペースを落として走ることも考えられます。10時間後にいいポジションにいるために出来ることをしていきます」と語ります。
炎天下の予想される夏の鈴鹿の10時間レース。ミスなく走り切ることは簡単ではありません。それが達成できたならば必ず上位に食い込んでくることでしょう。